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マルクス主義の重要性

2004/09/01 阿Q 50代 自営業

 ここに書き込んでも時間のムダとあきらめる前に、今まで言わなかった基本的なことにことを書きます。

 私はマルクス主義者でもなければ、マルクス主義をわかっているわけでもありません。でもその存在は重要だと思っています。それは、資本主義の非人間性がますます露骨になるにつれて、それに有効に対抗できる勢力が衰退し、ジャーナリストの斎藤貴男氏など個人の信念に基づいて戦っている人たちを除けば、多くの人の戦いを支える基盤は市民主義かマルクス主義しかないのではないか、と思うからです。

 しかし市民主義というのはとらえどころがなく、先ごろなくなった政治学者の高畠通敏氏のような魅力的な指導者がいても、政治を動かす力のある運動にするのは極めて困難です。

 新自由主義によって人間としての可能性を奪われるような人たちまで、新自由主義こそ行き詰まりを打開する思想だ、みたいに思っているような時代に、それによってこの社会を弱肉強食の荒野にしようとする勢力と、誰が戦えるでしょうか?頼れるものを探すと、先ず第一に来るのはマルクス主義です。

 2期目を目指すブッシュの売りの1つは Ownership economy となるようです。つまり、労働者も賃貸アパートではなく持ち家に住み、株式投資で財産を増やす。そうすれば社会保障や教育、福祉に国家予算を使わなくても、みんな安心して豊かな暮らしができる。私流に単純にまとめれば、そんなマンガのような新自由主義のブッシュバージョンです。

 食費とガソリン代で収入の大部分が消えてしまう人たちに、株式投資などできるはずはないし、その上の中流クラスでも生活は苦しくなっており、一部の人たちが住宅バブルで潤っているだけです。これでまたバブルがはじけたら、将来の貯えと思っていた投資が一瞬にして借金に変わるかもしれません。

 そんな危険なバクチ人生に国民を駆り立てながら、社会保険・健康保険は企業ではなく個人持ち、累進課税はやめて「平等」にする、それが豊かで活力のある国にする道だ、というたわ言が、新自由主義を徹底させるブッシュの二期目の政策です。

 こんな幼稚な夢物語を信じる人たちがいるからこそ、同情したくなるほどアホで間抜けなブッシュでも半分近い支持が得られるのでしょう。それは、1つには労働運動の衰退の影響もあるのでしょうが、リベラルの死滅の影響が大きいと思います。アメリカにもマルクス主義者がいたし、リベラルな研究者、ジャーナリスト、政治家が多くいましたが、ネオコンの台頭と反比例するように消えてゆきました。

 今では共和党に「リベラル」というレッテルを貼られるのを恐れる民主党にもリベラルな考え方はほとんど残っていないのではないでしょうか?その無残な現状の1つの現れが、例えば図書館で誰がどんな本を借りたかなどの情報をFBIが収集できるという、恥ずべき法律です。

 他国に民主主義を与えるような、生意気なことを言いながら、自国はそんなひどい状態になっているアメリカですが、その国を崇拝する首相が自信満々でやりたい放題の日本も、当然同じ道を歩んでいます。それに対して、思想の無い、自民党や民社党から流れてきた権力亡者の集団である民主党が、対抗できるでしょうか?自民党と競い合って新自由主義の道を突き進むだけでしょう。

 そんなひどい状況の中で、明確な対抗軸を持つマルクス主義政党が必要だろう、と思うワケです。