ロム3さんの9/26の投稿の、民主集中制に関する部分について、大方の論点は、「組織論と運動論」討論欄へ「民主集中制を無くさなければならない理由」と題して投稿しましたので、この文が掲載される頃には、そちらをお読みいただいているものと思います。ここでは、以下の点について補足させていただきます。
> 町内会でさえ、民主集中性で運営されています。民主集中性が駄目 だとすると、どんな組織原則がいいのか、私には、思い浮かびません。
私は、町内会の組織原則は民主集中制ではないと思っています。この点については、党員用討論欄の山本進さんの8/24付「民主集中制について(民主的な会議のために)」と題する投稿が参考になります。目的のはっきりした運動体である労働組合の組織原則でさへ、スト破りを防ぐ決まりを除けば、普通は民主集中制にはなっていないと思います。
もし、「多数決で決まった事には少数意見の者は従わなければならない」という原則を民主集中制ととらえるなら、日本国の政治体制も民主集中制ということになってしまいます。小泉政権のほとんどの政策に大反対の私でさへきちんと税金を納め、その税金の一部は自衛隊のイラク派兵にも使用されているのですから、少数意見の私としては大変不満な訳です。しかし、日本の政治体制は、普通は代議制(議会制)民主主義に基づく間接民主制と称され、民主集中制とは称しません。代議制民主主義を認めている私は、決して税金を返せなどとは言いません。ましてや町内会は直接民主制で運営されているのが普通です。
非常におおざっぱにいうと、民主集中制は、「民主主義」の部分と「集中主義」の部分から構成されているでしょう。間接民主制も、直接民主制も、それぞれに「民主主義」を実現するための制度の一つです。これに対して、民主集中制には「集中」を要請するいろいろな制度が付加されます。派閥・分派禁止規定がその代表的なものです。また、「少数は多数に従う」という時の「従う=服従」の要請が、間接民主制や直接民主制の場合より強化されます。「党の内部問題は、党内で解決する」という党規約第五条(八)は、山本進さん(党員用討論欄9/2)もご指摘のように、党内の問題を党外で広言してはならないという意味であり、党員の表現の自由に対する制限です。この条項もまた、民主集中制に則って「服従」を強化するためのものなのです。
そして、もっとも重要なポイントは、「民主」と「集中」が相反する機能を持つために、「集中」を強めるあまり「民主」の部分を削らざるを得ないという点にあります。党規約で、民主集中制を定義している第三条の(一)に「党の意思決定は、民主的な議論をつくし、最終的には多数決で決める。」とありますが、「民主的な議論をつくす」ためのどのような規定があるかといえば、全てはこれに逆行し、制限を加える規定ばかりです。
以前、ロム3さん(8/6)は、「一般党員は、上部から与えられたマニュアルしか頭にないので、 マニュアルから外れた質問を受けると逃げてしまいます。」と書かれましたが、そうなっている理由もまた、民主集中制の大きな弊害の一つです。「組織論と運動論」討論欄へ投稿した拙文の意図の一つは、そのことを、規約の全体構造の中から民主集中制の枠組みを抽出することで明らかにしようとしたものです。
いずれにしても、ロム3さんは、現在の規約はおかしいので変えるべきだとのお考えのようで、私と同じです。このままでは党は潰れてしまうでしょうが、人も志も残ります。やはり一番良い道は、潰れる前に、そうした志を持つ大勢の善良な党員の英知と能力が最大限活かされるような、新しい日本共産党へと転移させ、蘇生を図ることだと思います。
私達元党員は、党内の事情を良く知っている上、党中央に気兼ねなく、誰とでも議論を交わし、中央に意見することもできます。党員はその点でハンディを背負っているわけですが、逆に、私達はそれくらいのことしかできず、実質的な党改革は党員にしかできません。それくらいのことしかできない私達としては、岡目八目に陥ることなく、共に「日本共産党勝手連」として、できる範囲で最大限の協力をしましょう。