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コスタリカ最高裁判所の勇気。

2004/09/16 寄らば大樹の陰 50代 苦闘するフリーター

 中南米にある小国コスタリカは日本と同じ「平和憲法」をもち、そして世界で 「唯一」「軍隊を持たない国」である。
この事から日本の一部市民運動、平和運動の中には「憧れの平和な国」的な賞賛と、 「なぜコスタリカは軍備をもたないのに、日本には自衛隊がありイラクに派兵される の」的なやっかみ?半分も重なり、平和学習の教材となり、貴重なサンプルとして重 用されてきた。
 しかし、このコスタリカがアメリカのイラク戦争開始に際し、小泉純一郎と変わら ぬ賛意を表明したことは、余り知られなかった。
 だがブッシュが「イラク・フセイン政権打倒にはこれだけの支持する国がある」誇 らしく掲げたリストには間違いなくコスタリカは載せられていた。
 ただ「軍隊がない」から参戦は出来なかったがー。
 ところが開戦から1年半近くなって9月8日、コスタリカ最高裁判所は「政府の支 持表明は憲法に違反している」として過去に遡り、支持の取り消しを命したのである。 そのきっかけとなったのは昨年4月、一人の学生が発した「政府の米国支持声明は、 わが国の美しい伝統を台無しにしていないか」との疑問から始まり忽ち広がったのだ と言う。
 日本では例えこの様な運動が広がっても、最高裁は「行政の範囲内のことであり、 裁判所は関知しない」と棄却したことだろ。
 コスタリカではまだ平和憲法は存在しており、良識も、そして何よりも確たる市民 運動が健在だと言うことである。
 沈黙しないで今こそ、日本の市民運動、平和運動団体は政府与党に対して「コスタ リカに学べ」と大きく平和と反戦を叫ぶべきなのだ。
 しかし、コスタリカには、パナマのような運河もなく、隣国ニカラグワの民族解放 闘争も闘われてはこなかった、これが中米で唯一、「米州相互援助条約」に加盟しな がら、仮想ではあるが政治的中立が維持され、軍隊を必要としなかったのだ。 もしこの国が石油など資源に恵まれ、運河が走り、革命勢力が存在すればたちどころ にアメリカの「毒牙」にかけられているだろう。
 心もとなく、危うい中立であり、「軍隊なし国家」なのだ。
 しかしこのところアメリカ系大企業の進出が盛んだと言う、利権が確立されれば 「コスタリカの平和」は立ちどころに潰されるかも知れない。
 しかしコスタリカ最高裁判所は、イラク戦争の「有志連合」リストからのコスタリ カの国名を削除する様政府に求めたと言う。
 「頑張れ!コスタリカ」なのだ。
 そして日本の最高裁判所の「勇気」と「良心」を問いたいものである。