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マルクス主義の意義

2004/10/16 阿Q 50代 自営業

 不勉強な私には、雁古氏に反論する能力はありませんが、氏のご意見を貴重な ものとして受け止めながら、なお同意できないことを述べたいと思います。

 「主義」という言葉は、ユークリッド幾何学とロバチェフスキー幾何学を区別する ような、厳密な意味で使われているとは思えません。「三無主義」のような、とても 「主義」とは思えない主義も沢山出現しました。

 それに比べれば、様々なバージョンのマルクス主義の方が、はるかに主義としての 存在意義のあるものだと思います。その理由は、資本主義の非人間的なありようを、 一体誰が批判できるのか?ということに尽きます。

 Buddhaはお釈迦さんのことですが、お釈迦さんは自分の哲学をBuddhismとは呼ばな かったでしょう。マルクスとエンゲルスがマルクス主義という呼称を嫌ったとしても、 別にかまわないのです。彼らの教えを受けて、それを自分の生き方、運動の基礎とし て生かそうとするものは、勝手にマルクス主義を名乗ることが許されると思います。

 根本的な問題は、そういう「主義」が厳密な理論として成り立つかどうか、そうい う呼び方が適切かどうか、あるいはどのグループが「マルクス主義」を名乗る資格を 持っているか、などではないと思います。

 今私達が直面している問題は、そんなペダンティックな議論を蹴散らすような勢い で世界を破滅に向かって引きずる、むき出しの資本主義の恐ろしさです。それに、誰 がストップをかけて、私達の子供達の未来を保証することができるのでしょうか?

 「世界を破滅に」という言い方を大袈裟と思う人がいるのでしょうか?そういう人 には、歪んだ民主主義と資本が結びついて生み出したブッシュ政権が、いまや世界を 血と炎の海にすることもできるという事実、また、今話題になっている石油価格の高 騰も、産油国ではなく石油資本と投機筋によってもたらされ、世界中の経済を振り回 しているという事実を指摘するだけで、十分ではないでしょうか?

 資源の枯渇を考えて、経済成長を制約する必要を主張する人たちに対して、石油の 埋蔵量は新規の採掘により増えているというデータが示されて、今後何十年間にわたっ て石油の供給に心配はないといわれたのは、そう古いことではありません。ところが 今では、それが意図的にゆがめられた情報であったことが分かっています。

 「石油はたっぷりある」と安心させて、不必要にデッカイ車を乗り回してガソリン をムダ使いしたのも、また現在上がりつづける石油価格に不安を感じるのも、すべて 石油資本(メジャー)の情報操作にあやつられた結果ではないでしょうか?

 我々の労働の成果を吸い取るだけでなく、我々の消費生活も支配する資本の全体像 を示して、それとの戦い方を教えてくれる理論が全く別個に、独立に出現しない限り、 私達は資本主義の中で人間性を維持するために、マルクス主義に(ある程度は)頼ら ないわけにはゆかないと思います。