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「除籍」された党員より

2004/10/21 匿名きらい 50代 自営業

 このページは以前から知っていましたが、主催者が説明する目的がイマイチ腹 に落ちなくて傍観していました。
 しかし、投稿者の皆さんの真摯な態度と生々しい意見に接して私も一言参加したく なりました。
 私は匿名での意見表明ということにこだわりがありまして、実名を名乗らせていた だきたいのですが、後に続く話の内容に関係者のプライバシーに及ぶ問題もあります ので、そのことを考慮して匿名とさせていただきます。ただし、党の関係者が読めば 私を特定できると思います。そのことを前提で自分の体験と意見を述べさせていただ きます。少し長くなりますがご容赦ください。

 私は、党から「除籍」された者です。その理由は、ある市長選挙において、党支持 の候補者以外の候補者を公然と応援したからです。
 私は、そのことを公然化する前に党に離党届を出していましたが、「離党」ではだ めということで、「除籍」となりました。しかし、私が関わっていた市民運動を通し て公然と特定の候補の応援を訴えたから「除名」はありえるかな、と思っていました がなぜか「除籍」でした。
 その通知を持ってきた地区委員長に「処分するのであれば除名であって除籍とはな ぜか」「処分するのであれば、その前に私に弁明の機会をなぜ与えなかったのか」と 詰め寄りましたが、私の学生時代からの同窓でもあってか「詳しいことを言わせるな や」と言葉を濁してしまいました。私の推測では「この男を刺激するとまた何をする かわからない。中央の訴願委員会にでも意見を出されてはまずい。」というあたりか な、と思っています。

 さて、なぜ私が「除籍」されるようなことをしたのか。
 私は、地域で、ある市民運動の立上げに加わりました。当初そこに集まった人々は 地域内の有名人で、いわゆる「保守的」な人々が大勢を占める状況でした。そのよう な状況もあり、誰もが、かかげる課題の大切さは認識しつつも、自分の名前が前面に でることには躊躇があり、結局私がその集まりの代表者ということになりました。

 私は課題の重要さから立場の違いを越えて誰もが同調できるものと考えて、幅広い 運動が大切だしそれが可能だと思いました。そこで党に相談しました。当初「自覚的 民主勢力」(この言葉傲慢で大嫌いです)といわれる諸勢力の中には、『我が旗』を 立てない市民運動に参加することに反発もありました。しかし政治革新をいう勢力が そんな視野の狭いことでどうなるのか、と説得してそれぞれ温度差はありましたが、 その市民運動に参加することになりました。
 そして、運動は紆余曲折はありましたが、マスコミにも度々取り上げられたりして 発展的に進みました。運動参加者の幅の広さから従来にない運動の広がりと深さを実 感するものになりました。従来の敵味方が明確な運動とはちがって、相手側と思われ る中にもこちら側を支持するひとがいるといった複雑さを示したため、従来にない迫 力をもった運動の展開がありました。

 しかし最終的には目的を達成することができませんでした。そこで、市長選挙を控 えて、市長を変えて政策の変更を実現しようという方向に進みました。
 そこで、政策変更ができる候補者を擁立すべく動きました。自民党の議員経験があっ て現在は落選中の人物が、私たちとも意見調整した後に、候補者として名乗りをあげ ることになりました。そして、運動内にも現市長の後継者とされる候補者を負かすに はこの候補者しかいないという方向で一致しつつありました。また(いつも負ける選 挙を戦っている党員には理解しにくいことだと思いますが)もし現職の後継者が市長 になれば、その報復が大変だという恐怖心が多くの「有名人」のなかにあったのも事 実でした。従ってことは何重にも重要性を帯びていました。
 ただ「自覚的民主勢力」のなかにもこの際大同団結の道を探ろうという意見もあり ましたが、一部の「老人党員」を中心に、「あの候補者は自民党である。過去に日の 丸問題で推進する意見だった。」という理由で頑なな拒絶反応がありました。「そん な理由なら共産党以外の者は大なり小なり意見や思想が違うわけで誰も押せないでは ないか」「市政は憲法を変更するような場所ではなく、思想性を問題にすべきではな い」とただしましたが理解してもらえませんでした。

 私は、地区委員長に「市民運動の成果を前向きにしていくためにも地区委員会がイ ニシァティブをとって応援する方向は出せないか」と話を持ちかけ、私が折衝役になっ て党とその候補者側との秘密会談が二回もたれました。
 会談のながれは、政策問題や支援の仕方などではほぼ一致しましたが、最終的に自 民党籍を抜くかどうかで話が膠着しました。候補者側は、「市長たるものは一党一派 に偏するべきでないので市長に当選した段階で離党する」と主張。党は、「候補者の 段階で離党すべき。なぜこだわるのか」と主張。候補者側は「貴方は共産党に愛着が あればこそ今も共産党員でいるのでしょ。同じように候補者も簡単には離党できない のは理解いただきたい」と訴えましたが、結局は地区委員長は「党の決まりですから 動かせません」の一点張りでした。
 私は「当選後には離党することをこの場で確認できればよいのではないか。その決 まりなるものに柔軟性はないのか。」と問いただし、「もし地区委員長の段階では判 断がむつかしいのであれば上にも相談してくれ」として一端話は継続的に打ち切られ ました。

 ところがそうこうしている内に、市民運動の世話人の一人の夫で、自称「革新的」 とする人物が、急遽候補者として名乗りをあげました。
 私は「せっかくの広範な市民の合流のいい機会なのに、それを混ぜ返すような利的 行為なぜさせるのか」「今回の市長選挙の重大さが理解されていない」「今回の選挙 は大義名分だけでは市民は納得しない」と地区委員長などに訴えましたが、地区委員 長も「党から立候補するのではないので止めることはできない」と逃げに終始。「で は先の会談はどうするのか」と詰め寄った結果、候補者絞込みのために党内の意見調 整を試みようとした努力はあったようですが、結局は「老人党員」たちに押し切られ てしまい、その人物の立候補を容認してしまいました。
 「(自称「革新的」とする人物)を党は推薦や支持をするのか」と質問すると「政 策が一致していて、求められれば推薦か支持をすることになる」と。では「その人物 の共産党籍はどうなるのか」と問うと、「党員候補者を党が支持する場合には問題に ならない」と。「党が擁立したのでなければ、いわゆる革新統一候補となるのだろう が、党以外の人にも支持母体に参加を呼びかける以上は離党すべきではないか」と質 したが聞き入れられませんでした。まさに「党籍」問題のご都合主義を痛感しました。

 私は市民運動を進めてきた立場から、現職の市長の後継者を市長にすべきでないこ と、そのためには私たちの主張を通せる候補者を市長に送り込むことに責任があるこ とを痛感し、公然と応援することにしました。
 市長選挙の結果は私たちが押した候補者が当選しました。そして前市長の政策を変 更すべく政策見直しの立場を示しました。しかし、当選した段階ではほとんど見直し ができない状態まで、前市長側によって物理的にことが進められており、結局は不十 分なものにしかなりませんでした。それをみて党員達は「それ見ろ」と言っていたと いうことですが、「では貴方たちだったらどうする」と問いたいような複雑な現実が あるのですが、無責任な立場では何とでもいえるのです。私も以前はこんな形で発言 していたのかも知れないなと自らを振り返り恥ずかしくなりました。

 私はこの間の問題の中で、地区委員長や幹部連中をみるとき、「老人党員」を中心 とした建前論派の圧力に抗しきれない力量のなさを知らされました。その「老人党員」 達は日々の党活動では「老齢化」を理由にほとんど動きはないのに、「理論」では負 けないとばかりに「存在価値」を示そうとしていたように見えました。そんな屁理屈 の「理論」に対抗しきれない「幹部」連中の「理論性」の無さにも失望しました。 そして何よりも「何十年かに一度あるかどうかのチャンス」とある党員が表現してい ましたが、我が地域における広範な市民結集の機会を失ってしまいました。

 私は過去にトロツキストなどと闘う重要な見地を提示していた「極左冒険主義と日 和見主義」論文などからしても、彼ら「老人党員」の立場は、党が築いてきた地平に はお構いなく建前を主張し、結果に対する無責任さという点では、大いに犯罪的役割 を演じていると思います。そのことを指導しきれない党と明日のある若手の党員の存 在感がないことに失望しました。

 後日談として、当選した市長は、党とは違った政策を実行している部分もあります。 しかし政策協定を投げ捨てた党が政策の違いを理由に「あの時支援しなくてよかった」 と自己肯定している姿に空しさを感じました。自ら「あちら側」に追い込んでおいて 「こちら側」との違いを言うのは「政治革新」の方向に対して無責任でしかありませ ん。しかもその姿勢に一片の革命的気概も感じません。
 また皆さんの意見にもあるように、近親憎悪とでもいうのでしょうか、私のことに 関して党内であることないこと言われていることを、ある党員から聞きました。本人 の居ないところで言いたい放題「非難」することの空しさを知らない連中が、政治革 新を高らかに言う政党の構成員であるということ、この政党に未来はないと確信しま した。
 そのことに現役の党員が理解して党内改革のために奮闘いただければと思い投稿し ました。

 もし私を特定できた党員がいましたらいつでも批判を受け付けます。幹部連中が知 られたくないと思っている事実経過も含めて正々堂々と実りのある議論をしたいもの です。