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貴方の2中総批判は正しい、だが

2004/12/02 パンセ 50代 無職

 山本進さん、貴方の2中総の批判は正しい。2中総を一文で言えば、選挙政策は 間違っていなかったが、負けた原因は、2大政党論に埋没させられ、党の主体的能力 としての、国民に対する政策の主体的浸透力が弱かったという事でしょう。
 2大政党云々は、結果を原因にすり替えている論理で話になりません。2中総が真に 総括すべき問題は、主体的浸透力です。かつて党が躍進していた時代とは大きく様変 わりしていることに貴方はご理解できるでしょう。だからこそ、山本進さん、何が真 に総括に欠けていたかを具体的に言うべきではなかったでしょうか。
 それは、党の歴史の中で学ぶべき事を学ばず、新しい時代に対する即応力に欠け、 党としての魅力を失い、政策的コンセプトと政治的プリンシプルを浸透できず、その 結果、党と党の政策を浸透させる事が出来なかったのではないでしょうか。
 しかし、只批判だけでよいのでしょうか。党を目覚めさせる新しい提言が必要であ り、党が聴く耳を持つかは党の指導部の能力の問題であり、無能な指導部はいつか瓦 解するでしょう。
「さざ波」をある程度支持するものとして、理論面だけでなく政策や運動にまで立ち 入った批判と提言が決定的に少ないと思います。私はそこで、党の総括の問題点を党 の大題目である国民への浸透という面から指摘したい。
 その第一は、党の顔が見えない。かつて、党の支持基盤は、インテリ層でした。だ から、宮本氏や不破氏がある程度の影響力を持っていた。だが、今や、真のインテリ 層は、中教審のおかげで全てが官僚主義的公務員に変化し、ノンポリ化している。志 井氏は、インテリの党の延長線上にあり、国民の影響力は皆無に等しい。彼が状況の 変化を認識できず、古い党首像にしがみついている所に、まずの敗因がある。ここで、 日本の党に多大の功績のあった人材を指摘したいが、若干の問題を黙視して言えば、 野坂三造氏が上げられる。わが母は(もう他界しているけど)、彼の演説を聞くたびに 党指示ではないけれど、あの高飛車でない切々とした語り口を聴けば、手を叩きたく なると言っていた。彼は、まぎれもなく国民にとって党の顔であった。それに比べ、 志井氏は党の顔として触れ合う十分な政治運動を行っていない。
 第2に赤旗などの内容と共に、その他のメディアに打って出る斬新さが必要である。 その重要点は、繰り返し繰り返し、アピールする事である。今の党の新聞は赤旗を含 め、まことに政治的魅力に欠けている。党はこう思う!党はこう考える。与党がどう のでなく、彼らとは決定的にここが違うのだという、総合的政策-マニュフェストを 出すべであった。そうでなかった所が選挙時、党員の活動家に混乱をもたらし、敗因 になった。しかし、他党と違ったマニュフェストを出す事を躊躇したことは、国民へ の浸透にとって、取り返しのつかないほど肝心なところである。
 この点で言えば、わが党こそ、科学の党らしく論理的法則を貫くべきで、その事で、 他党対して説得力において優位に立てるのである。
 このホームページを閲覧している人の多くは、文系の人だと思うが、私は理系なの で、方法論的論理-特に数学においては、定義-命題-公理-定理-公式と論理的に発展 する。不案内な人は、辞書で調べて欲しい。命題とはあくまでも、仮説である。つま り各党のコンセプトである。それが公理という自明の論理を持って定理に行き着く。 ここまでは認識の純粋な部分である。そして公式という実現可能な政策や法案へと行 き着くのである。
 私は、小泉内閣の政治的手法を考えると、定義も無い、命題も無い、公理も無い、 そして公式だけがいつの間にか、人任せに作られ、人任せであるがゆえに、小泉にとっ ては、さも客観的に作成されたように国民に印象付けさせる(錯覚させられる)事にな る。そして、民主党は、論理的な作業も無く行革、特に3位一体の政策について、反 対の知事と連携しようとしている。
 私は党に問いたい。小泉内閣の政策基本命題は、行革であり、あとは自衛隊をアメ リカに従って国外に出す事ぐらいで、あとの事は知っちゃいないのだぞと、どうして 分かりやすく言えないのかと国民は思うが、それが彼らの政治手法である。
 私は党に問いたい。小泉の国内政治の唯一の政策である行革の定義とは何かと、そ して、それについて履き違えた結果、導き出された公理である、誰がその負債を真に 負担すべきなのかということを、その肝心な事を黙視し、その犠牲を国民に押し付け るために行革を短兵急に急ぐのであると。
 この時点で貴方方与党は完全に間違っているというキャンペーンを赤旗だけでなく、 ブル新聞にも意見広告をし、命題が間違っているのだから、公理とはなりたたず、よっ て、公式には成り得ず政案や政策には出来ないという事をあらゆるメディアを通じて アピールすべきであった。
 そして、党としての行革のプログラム、つまり政策的マニュフェストを提示し、-- 急速的な行革は負債の恩恵にあずかった資本家階級が負うべきであり、急激な行革を 国民大衆に何らの理解も無く押し付け、知らん不利を決め込むのは、かっての戦争を のぞいで前例が無い事を指摘すべきである。そして、党は、財界を含めた国民が全て 納得できるマニュフェストを提起すべきであった。これが第二の敗因である。
 第三には、最も致命的なことだが、インタラクティブなシステムが党の内外に存在 しないという事である。その結果、党の内外に、失望者を生み、選挙結果の自己撞着 に陥っている、そして、民主党にその場を譲ってしまっているのは明らかである。
 マルクスを始め、先駆的な革命的指導者、そして、戦前を含めた先駆的指導者がこ の実態をどんな感慨を持って見つめるであろうか。
 最後に、不破さん、ゴータ綱領を論じる前に火のついた足元を見なさい。志井さん、 貴方が党の魅力的な顔-選挙を勝ち進む顔としてふさわしい顔で無ければ、進退を明 らかにしなさい。2中総で党が前進しないのは明白である。責任を取る前に、党中央 の方針の総括のあり方を、あらゆる角度から、決してお茶を濁すことなく、あらゆる 先人と歴史的教訓から学ぶべき方向性を検討して提示していただきたい。