今週共産党の主張に大きな転換があったような気がします。それについて一言。
それを感じたのは北朝鮮に対する国会決議に共産党は退席せず賛成したという報道 です。一瞬耳を疑いました。その中には経済制裁を検討するという内容が含まれてい たからです。他にも色々な項目があって、それらを総合的に判断したようですが、と もかくあれほど反対していた経済制裁にも寛容な態度を見せたということです。同時 に赤旗の日曜版のトップに北朝鮮に対する批判記事がデカデカと出ました。
基本的にこのような転換は好ましいと私は思いますが、この会議室の意見を見てい ると、けしからんと思う党員の方々もたくさん居ることだろうな・・・と心配します。 もっと心配なのは、この党中央の態度に腹をたてて過激化していくような人々が出な いかなとも心配します。・・・が、まあそれは杞憂ということにしておきましょう。
そして、ここからが私にとっては重要なのですが、この変化を見ながら一つ気が付 いたのです。それは、共産党が『実は・・・自分達も悩んでいる』のだろうなと思う のですが、それを国民の前にさらけださないことなのですよ。恐らく相当の悩みがあっ たはずなのにと思うのです。
一般党員やこのさざ波通信で議論されている方々は別でしょうが、国会議員や人々 の前に顔をさらして共産党の支持を訴える方々は何故か『自分達も悩んでいるんだよ、 昨日はああいったけれど、ひょっとすると間違え立ったんじゃ無いかとも思ってるん だよ・・・』ということは国民の前にさらさないのですね。そういう弱い姿をさらす と支持が減ると考えているのでしょう。
人間なんて間違えの連続・・・ホントそうですよ。それを反省するから進歩があるっ て思っているんですが、それが日本共産党の方々にはそれが無い。いつも言うことは 自分達の正しさなんです。世界が大混乱をしている時代はそれも良かったかもしれま せんが、今のような時代には、それが今度は不審につながってるんじゃないでしょう か。疑うってことは、マルクスの言ったことや、レーニンが言ったことまでも、ホン トなの?と疑問を持つってことです。たぶん、言ったことの多くは、彼らが生きてい た時代には確かにそうだったけれども、その後何十年も経ってしまった今という時代 には合わないよということが山ほどあると思うのですが、そうしたことは党内の問題 として外部には出てこない。そして、結論だけが人々の目にさらされる・・・という ことなのではないでしょうか。
私は先に『そんなこたー党内問題だ』と批判しました。まあ、言い訳なんていうの はそういう類の問題でしょう。しかし、未来をどうするかという問題は党内問題と同 時に、国民の意見やら批判やらも取り入れて作り上げていくものではないでしょうか。 それでこそ国民との一体感も生まれるというものでしょう。共産党が国民を善導する なんてことは今の時代にはもうナンセンスです。
共産主義を信じる人々が何と言おうと、資本主義という制度が今のところ成功して いるのは間違えないのです。資本主義は社会主義への一里塚だと信じていても、社会 主義国がばたばた倒れて資本主義国が生き残っている姿を冷静に見ればわかるでしょ う。その資本主義国の中で共産主義が正しいんだとすることができるんですよ。金正 日の体制で金正日を批判することができないのと対象的です。
今の資本主義は修正資本主義だということもどこかで習ったこともあります。社会 主義的政策を取り込んでくることができたわけです。そういう意味では中国なんかは 修正社会主義でしょう。そして互いに近づきつつあるわけじゃないですか。要するに かつては対立していた2つの体制が互いに自分達の弱点を修正しているわけです。自 らの弱点を冷静に見る目があればこそじゃないでしょうか。それで国民がハッピーに なれば幸いなのですよ。
日本共産党の主張が変化しても国民には全然その理由がわからないのではないでしょ うか。今世の中では説明責任という言葉が流行しています。自民党に説明責任を求め るのは良いのですが、同時に自分達も常に問われているということも忘れてはならな いのではないでしょうか。『よし、説明責任は果たしたよ』と言うのは国民であって 『共産党自身では無いんですよ』。そこは勘違いしないでください。また『情報公開』 という言葉も今や大きな流行語です。そして、国はのらりくらりとではありますが、 ともかくやっていますよね、ご存知のとおり。自民党も同じ。でも、ちょっと前にく らべりゃ、少しはたくさん情報が出てくるようになってきたこともまた事実です。し かし、共産党はどうでしょう?国民の党を標榜するなら、自分達に都合の悪いことで も国民の前に全てをさらけ出す覚悟が無ければだめなんじゃないでしょうかね。それ が理由でつけこまれて党が解体するなら、それはその程度の内容しかなかったという ことになるでしょうし、本気になってやるなら党を強くすることでしょう。
コンピュータというメディアが世の中を席巻して、こんな会議室を作って議論がで きるようになった。一瞬にして情報が世界を駆け巡るようになった。こういう時代で す。これをヨーク考えてみてください。何をしなければならないかが見えてくるのこ とでしょう。
偉い人が言ったことが正しいわけじゃない、国民の一人一人が自分達の尺度を持っ て『何が真実か』を調べることができるようにもなったんです。ウソと真実を誰もが 調べることができるようになっているんです。そして、全ての人々がそれぞれの尺度 に基づいて事の真実、本物と偽者を判断する時代になっているのですよ。一つの主義 を信じていれば良いという時代ではないんです。