とうとう青森県六ヶ所村で、日本原燃の核再処理工場でのウラン試験が開始された。
現在でもプルトニュウム約40トンを所有し「潜在的核大国」と揶揄される(北朝鮮や韓国がほんの数グラムのプルトニュウム所有で大問題とされていることを思えば、世界の異常なダブル・スタンダードぶりがわかる)この国、そして「もんじゅ」高速増殖炉での使用が世界的にも、また国内的にもナトリウム漏れ事故を含む技術的面での破産によって完全に行き詰まり、またその当面の解決策、代替手段とされた「プルサーマル」も未だコスト高や実用的使用のめども立たず、文字通り四面楚歌の状態に置かれているのに、何故またぞろ、六ヶ所村稼動を開始するのか?
この国の核サイクル事業は謎だらけというか、客観的には「いよいよ日本は核武装化に踏み出した」としか理解されないだろう。
核サイクルの破綻、深刻な各種トラブルの発生、電力会社による各種データの改竄と誤魔化し等、否になるほど課題が山積し、何の解決も図られていないのに、この国の原燃や政府関係者は、何かといえば「資源の乏しい日本には絶対必要な技術であり、欠かせない研究である」と舌が腐るように繰りかえして来た。
しかも、この国で稼動する原発の大半が高齢化!を迎え、廃棄処理方法とそのコストをどこに「転化する!」かさえ決まっていない状況の中で、フル稼働してもたかが30年程度しか持たない六ヶ所村核燃再処理工場で、生産されたプルトニユウムを一体何に使い、手には負えない程膨大な核の廃棄物を一体どこの「墓場」に埋めると言うのだろうか。
既にこの狭い日本の国土は、大量の産廃や、多大な税金投入で作られた構築物で占拠され、既に自然は「ヒーヒー」と泣き叫んでいる、核廃棄物など埋める余地などどこにもないのだ。
まさか「イラク派兵の協力度」によってブッシュの広大な牧場に埋めるという許可を得た訳ではあるまい、まさか東京のど真ん中のあの「お城」の地下に埋めるという訳でもあるまい。
海外での脱原発、反原発の声の高まり、原発廃棄処理の進行、そして風力発電、太陽光発電、などエコ発電化が進み、燃料電池実用化など技術開発、またガス田開発、西アフリカなどでの新規油田探索等、エネルギー開発は様々な国が機構が、様々に進行させているのに、何故この国はそれらに余りにも鈍で、これ程に核サイクル、プルトニユウム蓄積にわき目を振らず突進するのか?
やはりこの国は世界に冠たる「核大国化」を目指しているのだ、それ以外にない。
「金正日」にそのことを突かれたら、小泉純一郎お前はどう答えるのだ。
青森六ヶ所村で頑張る人々や、反原発・脱原発の人々まかせにするのはもう止めよう、エネルギーを使うのは私たちなのだからー。
もう手遅れかも知れないが、子供達や孫の世代への「負の遺産」の継承はいい加減止めにしよう、そのためもっともっと声を上げて行こう。
ついでに報告しておきます、12月始めに福井現地で行われた「もんじゅ反対・核武装化反対」の闘いは自治労青年部を先頭に久しぶりに高揚した。
まだまだ十分に闘えるのである。