「私は史的唯物論に基づいて革命を考えています。社会主義革命は人為的には
起きないと思います。生産力の増大、もしくは質的変化によって起きると考えていま
す。
封建主義から資本主義に移行したときと同様の課程をたどると思います。」
私は今風邪を引いてしまって、丁寧に書けないかもしれませんがお許し下さい。生
産力が増大すれば史的唯物論のものの考えでは自然に社会主義革命が起きるとお考え
なのでしょうか。それならば共産主義者達の能動的活動は不必要ではないのではない
でしょうか。
その史的唯物論はマルクスと、エンゲルスによって確立されたものですが、「生産
関係は生産力に照応する」といっています。生産関係とは社会制度なのでしょうが、
私たちが戦いをしないで生産力さえ高まれば社会主義に移行するというようなことは
マルクスもエンゲルスも言っていません。「これまでの歴史は階級闘争の歴史である。
「共産党宣言」でマルクスはこう書いています。
まさに「人為的に」もぎ取らねば社会主義にならないと考えるのですが、そのよう
な客観主義で社会主義にいたれるならば私たちは何もしなくてよいことです。何時の
間に社会主義にいたるものではないでしょう。
「封建主義から資本主義に移行したときと同様の課程をたどる、」とのことですが
これは過去の復習ですから難しくありません。社会主義革命は予習問題ですからわか
らないこともありますが。
それでは明治維新の封建制度からブルジョア革命の経験を振り返ればわかっていた
だけないでしょうか。尊王の志士達が徳川幕府を打倒しようとする時、薩長土佐連合
を作り、幕府は長州征伐を二度も試み失敗しました。その後幕府は勝海舟の説得によ
りもう無力であることを悟り江戸城の無血開城をしたのであるが、会津藩は徹底的に
反革命の立場に立って闘いました。白虎隊の全滅はご存知でしょう。また維新が出来
てから薩摩藩の叛乱があり西郷さんともども薩摩藩は壊滅したのですがそこで初めて
ブルジョア革命が完成したのでしょう。するとこの過程は激しい革命闘争の歴史であっ
たし、タナボタ式にブルジョア革命になったのではなく多くの流血があります。それ
でも維新は支配階級が封建的領主の手からブルジョア階級の手に移る、ある支配階級
から別の支配階級の手に渡った革命なのであるが、プロレタリア革命は一切の支配階
級を打倒するのであるからその困難さと、かつての支配者の抵抗は維新革命とは桁が
違います。これは日本史ですがフランス革命とギロチンは大体の人が連想します。凄
まじい王侯貴族の抵抗と革命側の戦いです。これが封建から資本主義への歴史で・・・
・・・。
戦前に日本共産党員が弾圧され多くの同志が虐殺されたのは治安維持法によるもの
ですがその治安維持法は私有財産を否定する、つまり資本主義を否定し社会主義のた
めに戦う人々に対するものであったのです。日本共産党員であるならばそのような階
級闘争の先頭に立って命をかけて闘った先輩を誇りにすべきであると思いますが、闘
わなくても革命が来るというのであれば彼らを否定することになりませんか。
かつて、革命が流血なしにすんだ例があるならば教えてください。あなたも60年安
保を経験されたのであればあの時の機動隊の弾圧や右翼の襲撃を忘れてはいないと思
います。この安保闘争は革命闘争ではなく反米と民主主義の戦いだったのです。その
戦いですらすさまじい弾圧がありましたし自衛隊の出動までが用意されていました。
だがその戦いがあったからこそ今日まで憲法を改悪できなかったのです。日本のブ
ルジョアジーが最も恐れているのは日本の労働者階級が団結して戦いに立ち上がるこ
とです。労働者階級はその時々の経済的要求、民主的要求で戦いますが、決してこの
ような部分的な要求を勝ち取ったから解放されるのでなく、彼らが国家権力を奪い取
る以外に真の解放がないことを日常闘争から彼らは学び取ります。この労働者階級が
国家権力を奪い取る、即ち「革命が人為的である」からと反対するならば、その人た
ちは反革命になるしかないのではありませんか。そして今や日本共産党こそが反革命
に転落しています。レーニン率いるボルシエヴィキはたった一度ののチャンスを見逃
さずモスクワを制圧し社会主義革命すを成功させました。支配者にとってそれはまさ
かという革命であり不意打ちだったのです。ドイツ革命は逡巡したために破れました。
革命は人為的です。そのことの証明はしませんがいつでも容易にそれは出来ます。向
こうから転がってくるような社会主義を何時までも待っていることは出来ないのです。
私たちは単に革命の時に立ち上がるのではなく日常的に革命情勢を引きずり込んで
ゆかねばなりません。そのためにあらゆることを利用します。能動的に、積極的に。
悪寒がするのでこのあたりにします。
あなたがかつて若いときに描いた夢を思い起こしてください。革命的情熱の夢を!