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一般投稿欄

私たちの「会社」の現実

2004/12/04 結城克也 40代 工場労働者

 阿Qさんとエンジニアさんに横から失礼します。

>企業によっては、能力と熱意ではなく、ゴマすり上手こそ出世の条件なのです。

という阿Qさんの文章が気になりましたので。

 工場でゴマすりの人はある程度います。同期にもいました。彼が、私より初期昇進が早かったものですから、頭にきましたし、「ゴマすりがうまいやつは得だな」と思いました。今になって考えますと、彼は皆が認めるゴマすりではありましたが、もともと能力もあったかと思います。
 誰しも、自分の自分に対する評価は他の人からの評価より少し高いそうです。自分と同じ能力の人が昇進すると嫉妬の感情から「ゴマすり」にその主たる要因を求めてしまうことがあるのではないでしょうか。

 サラリーマンの大きな節目の管理職の登用がどうなっているか、色々な会社に聞きましたが、ある大企業では、
①完全な筆記試験(これはペーパーテストで選抜するのはどうかという話ありますが、客観的で判り易いようです。)、
②課題を与えての議論、分析発表させ第三者の会社が採点する。(口下手ではつらい試験だそうです。)
③仕事のテーマを発表させ7名くらいで質疑応答含め採点評価する。ある規模以上になると受験する人数も多くなり客観性が必要となるので、こうした試験になるようです。
④推薦(小さな会社では経営者が全員を見ているので、この方法が多いのでは)。
 大企業になるほど、選抜に客観性が要求されますので、「ゴマすり」は出世の大きな条件ではないと思います。もし「ゴマすり」だけで出世しても、サラリーマンは結構過酷な商売ですので、部下の目もあり、もたないと思います。

 阿Qさんの投稿で原子力についても書かれていましたが、少し前の東電の問題はどの企業でも気をつけなければならない問題だと思います。
 聞いた話によりますと、結論的に言えば大企業病であり、原子力発電所が原子力ム「村」になっていたらしい。東電の社長、副社長は事務系ですが、事務系は、情報を知らなかった。原子力「村」から報告は上がらなかったらしい。何故か? 原子力発電所の運営方式を決めたのは東電の事務系と役所であり、安全を確保するため非常に手間のかかる現場でとても守れないルールになっていたらしい。
 小さくても全てのトラブルを公表することになっていて、これをやると、原子力発電所の運転は頻繁にストップすることになる。原子力「村」の技術屋はどうしたか? 現場は大丈夫だ。責任持つのは現場だということで全てのことを公表しないことにしたらしい。事務系と技術系のコミュニケーションの問題ですね。
 工場にはこれと共通して問題があります。安全第一でがんじがらめのルールを作ると現場は到底守れなくなってしまう。これは日本の現場の共通の問題だと思います。基本的には誰でも安全に作業でき、品質を確保出来る設備を目指したい。経営というのは、働く人たちの幸せのためにあるのですから。