ポチさん、「そういう発想は無いようです」とは、何の話でしょうか?共産党だろうと無党派だろうと右派だろうと、一応の常識をわきまえている人たちは、みーーんな「国民に食べさせることも出来ずに軍備に熱中する北朝鮮国家はけしからん」と思っているでしょう。そんなことは今更言うまでも無い、みんなが強く思っている、あたり前のことです。
「共産党が被害者を連れ帰っていれば・・」言ってもしょうもないことは、言うべきではないのです。共産党よりもはるかに大きい民主党だって、自民党だってそんなことはできないんですよ。相手は国家であり、それに対抗して行動できるのは国家だけです。これまでに帰国した被害者だって、自民党の手柄じゃない。日本の国家(主に外務省)がやっと本気になり、首相府と共同で動いて、国家としての最低限の責務(の一部)を果たした、というだけでしょう。
要するに、北朝鮮の悪辣で非人道的な国家機構はいずれ崩壊するに違いないけど、それを黙って待つか、それが破局的な惨事にならないように何らかの準備を行うか(崩壊を促進するような介入は許されない)、また自国民をきちんと保護できなかった日本という国家に、どうやってもっと責任を果たさせるか、ということでしょう。
私は国家というものに何の幻想も抱いていないので、国家に余り期待せず、できれば国家の支配も保護も受けずに、どいなかで自分の力だけを頼って自由に暮らしたい。でもそれができないので、私から税金を取っている国家に、「少しはまともな仕事をしろ!」と要求する。それが基本的スタンスです。
その立場から見ると、拉致問題に対する、日本という国家の対応は実にひどいものでした。21年前、ビルマのラングーンで発生した爆弾テロ事件の時だったか、あるいはその数年後の大韓航空機爆破事件のあとだったか、私は北朝鮮はテロ国家だ、と確信しました。それまでは「あそこは絵に書いたようなきれいごとを言うけど、どうも怪しい」と思っていましたが、これらの事件で裏の真実が明確になり、金正一がテロリストの頭目であることがはっきりしました。
その頃、日本海沿岸地域で、「不審者に注意」のような立て看板が海岸などに立てられているという話を、週刊誌か何かで見ました。「不審者」が朝鮮半島に向けられた言葉であることははっきりしていましたが、私はそれ以上の意味を考えようとも、また調べようともしなかったため、爆弾テロ事件との関連を考えることも出来ませんでした。その結果、私は南北金金会談での金正一の演出に騙され、「テロ国家」に対する厳しい目をくらまされてしまいました。それが、情報源も権力も持たない、弱い個人である私の限界です。しかし国家はその対極にある、巨大な力とそれに見合った責任を持つものです。
警察や公安調査庁は、私と違ってこれらの事実を結びつけ、失踪者の背後に北朝鮮の秘密工作があることを見抜き、事件を解明し、解決し得べき能力と責任を持っていましたが、彼らにはその気がありませんでした。ギリシャ人だったと思いますが、同じように拉致された時、その政府は直ちに行動を起こし、強力な交渉の末に、被害者を取り戻したといいます。日本の警備及び外交当局の無気力さとの違いに、驚きます。その無能力・無気力・無責任は、オーム真理教事件ではっきりと示されました。
オーム真理教による様々な被害者を助けていた人々が、オーム真理教の犯罪性を指摘していましたが、警察と公安調査庁は真剣に調査せず、その後の凶悪事件の発生を許してしまいました。この責任は極めて重大です。ところが、その役立たずの公安調査庁は、税金泥棒としてリストラされるのを避けるために、主力部隊が一網打尽になって無力になった教団の危険性を誇大宣伝し、教団の犯罪を知る立場に無かった底辺の無力な信者達を追いまわしています。
おそらく、公安調査庁はこのサイトも常時チェックして、私のこの投稿を読んでカッカとするでしょう。そんな無駄なことに時間と金を使いながら、必要なことをしない日本の警備当局が、オーム真理教の犯罪を許し、拉致事件を許し、救出を難しくしました。彼らがまともな仕事をする、それこそが、拉致事件に関する問題の出発点です。早いうちに彼らがきちんと調べて、取り戻すことは出来ないにしても解明していれば、政府間交渉の中心テーマにすることができて、日本からの援助に条件をつけて、強く迫ることが出来ました。
そのために税金を使い、給料をもらってる連中の怠慢を許しておいて、「共産党が連れ戻したら」などとノーテンキなことを言っていてはいけません。国家というもののイロハを考え直してください。