ただ、明日がないほど貧しい人々は闘うしかないのですね。中国が豊かに
なるまで、農民は過酷な税の取立てと都市移住の際の教育・医療・労災を受けら
れぬ事、ピンハネを我慢せよ、と言われても、600年先に起こるかも知れない
革命が起こるまでとか、中国が豊かになるまで、来月まで、今月末まで闘うなと
言われても、今すぐに金が必要な場合だってある。今闘わねば餓死する人だって
いると思います。
今回の洪水の発生源アチェーはインドネシア軍の軍事作戦が展開された地域で
すが、世界は洪水の悲劇が起きるまで、アチェーの悲劇を見捨ててきました。日
本は中国・インドネシアでどれほど悲惨な人権侵害が起こっているか知っていて
莫大なODAを渡してきました。
クルド難民の問題に至っては、入管当局は今年春にトルコまで出向いて秘密警
察に情報を漏らしました。生産力の拡大なんぞに期待する余裕はない人はあまり
にも多い。この悲劇が生産力拡大で終わるとしても、それまで待つ事は許されな
いのですね。闘うなと言われても闘わざるを得ない人々の多さ、これが世界の実
相であり、その意味ではまだまだ世界は19世紀に近いのです。地域によっては
19世紀よりもっと危機的な地域もある。企業活動が地域を破壊している場合も
ありますから。