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朝日新聞バッシングについて

2005/01/29 寄らば大樹の陰 50代 苦闘するフリーター

 NHKの海老沢会長がやっと責任を取って退任した、これまで築き上げてきた独裁体制がよっぽど気に入っていたのか、院政的に顧問就任を図ったがそれもかなわずでやっとほうりだされる形となった。
 いかにも日本的経営者の情けないまでの退任儀式となってしまった。
 50万件にも及ぶと言われる「受信料の未払い件数の急増」という人々の声がやっとこれを実現したのだが、それにしてもお粗末だった。
 しかし問題はこれからである、旧日本軍による慰安婦問題を取り扱った「ETV2001シリーズ戦争をどう裁くか第2回問われる戦時性暴力」の国際法廷特集が、名うての右翼政治家、安倍晋三、中川昭一の介入・圧力によって時間短縮され放送された事件である。
 朝日新聞の1月12日のスクープ報道によって再び日の目を見たのであるがこれに対するNHKの朝日に対する反撃は凄まじいものだった。
 ニュースの毎にあからさまな朝日新聞批判を浴びせ、とうとう当時の番組責任者松尾武まで懐柔・転向させ、テレビの前に引っ張り出した。
 一方安倍・中川もNHKに合わせるようにお惚け顔で事実を否定し、自民党内でも批判されるような朝日新聞攻撃を展開している。
 今のところ朝日新聞が頑張りをみせ、日放労が朝日新聞を支持し、新聞労連もほぼ同調し必死の攻防戦が続いているようだ。
 しかしはっきりしていることは、NHKの報道姿勢がいよいよ崩れ、もはやとても公共放送だとは言えないまでに偏向を顕在化してきたこと、また自民党内でいわゆる良識派が勢力を失い後景化し、安倍・中川を始めとする右派勢力が力を増したいること、そしてこの攻防戦によって朝日新聞が破れたらそれこそマスメディアの総翼賛化が進むと言うことである。
 そしてそれは同時に赤旗も同じ波に呑まれてしまうということなのだ、この国は今右傾化という大津波に襲われているのだ。
 しかし久しぶりにさざ波に帰ってみると「なんだこれは」この事に誰も触れていない「他山の石」にさえなっていないのだ。
 感性を失っては何も出来ない、生まれない、情勢が大津波のように猛威を振るっているのに自分の殻に閉じこもり、あたりすら見渡すことも出来ないようではさざ波もお終いだぞ、と言いたくなる。