(広義の)科学的社会主義に関心をもって本当によかった。
本当に久々に嬉しい気分である。共に学習活動するメンバーは本心では既に半ば戦々
恐々のようだが、ぼくは心から快哉を叫びたいほど嬉しい!
というのも、ぼくらのグループに法学系大学院進学志望者(男)が加入しようとし
ているからだ。「えっ? 大学院ってば超過密カリキュラムなんじゃないの? 民青
に入ったら研究が疎かにならないのかなー」と周囲の心配は当然あったとか。
どうやらそれは杞憂に終った。彼は某大学院で経済学修士修了したばかりだとかで、
比較経済体制論やロシア東欧経済史が好きで専攻していたとか。「それがなぜ法学に?
」と当初ぼくも不思議だったが、彼曰く「これからの経済学には、法制度的理解も必
要になっていることを痛感させられたから。優秀な研究者にはなれないナと自分でも
思うけれども、学際的・領域横断的な思考が必要な時代なことは確信したんだ。(比
較経済体制論は)日本では割とマイナーな分野だが、逆にこれから伸びる楽しみな分
野だとオレは感じる。ロシア経済を究めるにしても、かの国の法制度を少しは知って
いないと。でその前に日本の法制が理解の土台に無いと困るんだ」。それで「忙しい
研究の合い間を縫って法学系の科目は満遍なく出席したつもりだし、基本の六法(憲・
民・刑・商・民訴・刑訴)プラス労働法は最低限のレベルは苦労しただけあってほぼ
OK」。
彼とは感心しつつ話し込んだ。「法学系大学院進学はもうちょっと先になると思う
よ。かなり準備を要することだしね。まして他学部出身だしあんまり要領いいタイプ
じゃないんで。ただ、よく誤解されるけど、『ロースクール』の方じゃないよ」
「でもなんで民青なんかに?」
「3回だけだけど、関東でいろいろな街頭演説や講演会で志位さんや佐々木憲昭さ
んの話にふれた。憲昭さんの社会保障論や消費税問題は聞いて面白かった。共産党は
昔から社会主義にこだわってるでしょ? オレの感覚と党の見解が一致するか否かは
わからないが、そういうこだわりのある党の下部団体である民青の空気を吸ってみた
くなった。ムダにはならないと感じるしさ。でも、入党するかどうかはしばらく留保
させてくれ(笑)」
「オレの志向は、いわゆるマル経でもなく主流派経済学でもない。というわけで
(民青では)専ら学習時間帯だけ参加させてほしい」というユニークな要望を出して
くれた彼は、世代面ではぼくらとほぼ同じ。
「君らの言う《科学的社会主義》というターム(術語)には、今まで寡聞にして接
した記憶がないなー。指導教官も『現在のロシア東欧の経済は、マル経だけでは分析
不可能だ』って話してたし。IMF主導の脱社会主義化(ポスト社会主義)も悲惨な結
末だったしなー」とか、「不破さんの著書にはレオンチェフもネムチノフの改革も載っ
てないが、なぜだ?」と早くも率直な意見が。「ここは学習グループだから“異論タ
ブー”はないよ。党中央とは違うアングルからドシドシ教示“挑発”してほしいなー」
のエールにニッコリした表情でガッチリ握手してきた彼。今後、この強力なルーキー
から赤裸々な(?)ロシア東欧リポートを教示してもらえそうなだけに、個人的に今
からとても楽しみである。
今回、感激のあまりもっぱら「個人プロフィールの紹介」に比重がかかりすぎになっ たかと自己反省していますが、このテーマに関して、今後時間のゆとりをみて随時 『続編』報告したいと思います。
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