私の稚拙な文章の投稿に対し、大変ご丁寧な返答をいただきましてありが
とうございます。その上、ご賛同いただけた部分があるということで、私の方も
大変嬉しく、また、大変心強いメッセージも頂き、元気がでました。
教員の管理強化はとどまることを知らず、日々着々と進んでいます。確かに我
々教員は、国民の税金で支えられていることを常日頃から自覚し、襟を正さなけ
ればならない部分数多くあることは認めます。最近は他人事とは言っていられな
いほど教員の不祥事は多いです。こういうことを防ぐための必要な管理というの
もあるでしょう。そして、いまだに教員は恵まれている部分があるという認識も
あります。しかし、自分たちの問題を越えて、ここまでやって本当に「教育は大
丈夫か」を越えて「日本は大丈夫か」とまで思うときがあります。
よく教員には「アカ」が多いという中傷めいたこと耳にしますが、今の時代、
教員でも共産党支持者はごくわずかだと思います。一般の支持率とほぼ変わらな
いのでは、と思います。(ふだん支持政党の話などは全くしないので、実際のと
ころはよくわかりませんが。)しかしそれでも、日の丸、君が代について、それ
らの存在の「是非」ということではなく、天皇にも感じていただいた?行き過ぎ
た「強制」をはじめ、その他いろいろな上からの締め付けについて、思想・信条
の違いを越えて、大半の人が辟易としている状態だ、と私には感じられます。
(そんなことないよ!当然のことだ、と考えている教員も勿論いるとは思います
が。)反対してどうこうする気力もなくなるほどです。職員会議でも、活発な意
見交換は少なくなりました。
まあ、上の命令に従う、というのは、民間では当たり前のことかもしれません
ので、ある程度は確かに仕方のないことなのかもしれませんね。成果主義も導入
され、人事評価システムにもとづき、校長から5段階評価の成績をもらいます。
これも民間ではふつうのことだから慣れていかなければならないんでしょうね。
ただ、『内側から見た富士通「成果主義」の崩壊』にも書かれているように、こ
ういう人事考課制度は、マイナスの効果しかない、とまでは申しませんが、士気
の低下を招く部分もあるような気はするのですけどね。
今はまさに『個々の教師を「取引上の競争の厳しさ」に直接晒す』と指摘して
いただいた言葉どおりの状況です。そのような中で、何か協力しあう、という雰
囲気が薄れはじめている、とまでは少なくとも本校においてはないと思っていま
すが、どことなく白けた雰囲気は漂い始めている気はします。これも民間であた
りまえですかね。やはり我々もグラフなどをつくって各々の「営業成績」を上げ
ていく時代なのでしょうかね。
今、教員の世界では、一般教員と校長・教頭の間の中間管理職づくりが着々と
進められています。今までも校務分掌、委員会、学年団などの単位ごとに主任や
委員長はおりますが、「格」は一般教員と同じでした。これからは、一つ上の格
にするのだそうです。そして、その名目は「校長・教頭の学校運営を補佐する」
というものです。そうなんです。私たちは、子どもたちがどうこういうよりは、
校長・教頭の手となり足となって働くことが求められているのです。これもやは
り民間では常識で、当然のことですか?私は「世間を知らない教員」なのかもし
れません。ただ、「民間」のある会社が、以下のような経営方針をとっている、
ということが私の目にとまりました。
ある外資系の高級ホテルは、「逆ピラミッド」の発想にもとづいた経営方針が
とられているといいます。それはどういうことかというと、「ホテル業にとって
何よりも重要なのは直接お客様に接する従業員である」、という確信に基づき、
この従業員こそを大事にしていく、ということです。簡単にいえば、社長格の総
支配人は一番下で、その上でマネージャーが社員を支えるしくみだそうです。そ
して、マネージャーから一般従業員に対しては、現場を無視した上からの強制的
命令はないということです。かわりに、現場の声を尊敬の念をこめて耳を傾け、
常にスタッフが働きやすい環境を「支援」するのがマネージャーの仕事だそうな
のです。「上」から押さえ、操るるのではなく、「下」から支えるという発想で
す。
そのような職場環境の中では、スタッフ同士が当たり前のように助けあい、そ
の延長にお客様に感動をも与えるサービスがあるのだそうです。また、従業員の
国籍、経験、意見などの「違い」を認め、プラスにとらえ、それらを最大限に生
かすことによって、会社として成功していく、という方針もとられているそうで
す。
実際のこちらのホテルの職場環境を見たわけではないのでなんともいえません が、このことを知ったときに、新鮮な驚きを感じました。(余談ですが、日本共 産党さんの組織はこういう点ではどうなっているんでしょうかね。まあ、私はと やかくいう立場にありませんが)いずれにしても、一度だけこちらのホテルに客 として滞在した経験があるのですが、型にはまらない心からのおもてなしに感動 を与えられました。
だいぶとりとめがなくなってきました。もう終わりにします。今、はっきり思
うのは、どんなに「時代」にあった「学校変革」が進めてられていくにしても、
何か昔あったような、型にはまらない学校の「温かさ」だけは絶対に失ってはな
らない、と感じることです。その「温かさ」とは何か、一口に言うのは難しいで
すが。昔からやっている「金八先生」、意外と今の子どもたちも好きなんです
ね。「見てる」という子が多いです。
私たち教員からすると、「この先生はホームルーム指導ばっかりで、授業はど
うしているんだ?そもそも何の先生だっけ?」とか「部活とか校務分掌の仕事は
いつやってるんだよ、やっていないのか?」「あんな気持ちよく先生、先生、な
んて現実は言ってくれないよ」などあら探しばかりして、実際あまり見たりはし
ないのですがね(笑)。・・でもきっとどこかで、子どもたちは、このドラマが
描いているような、型にはまらない学校や先生の温かさというものを望んでいる
部分もあるのだろう、と考えるのは間違いでしょうか。