総務省は1月の完全失業者は296万人、4,5%で前月横ばいだったと発表
した、また厚生労働省は1月の有効求人倍率は0,91倍だと発表した。
なぜ発表する官庁が違うのか分からないが、相変わらず政府発表の数値は、私たち
の庶民感覚とか実態とは離れて一人歩きしているようだ。
これを受けた新聞各社は「失業率横ばい」とか「雇用回復傾向」とか政府や企業へ
のオベンチャラを使って表現した。
この国の推定総人口は約12780万人、その51,3%が就業を求め内4,5%
が失業中とのことだ。
しかし、ある統計によるとアルバイト・パート・無職者を含むフリーターが約20
0万人、また働く意志を持つ無職の人たちを含め、何時でも首を切られる層としての
417万人が大きな意味での「フリーター」と呼ばれるそうだ。
そしてこれに最近とみに増えてきた「ニート」と呼ばれる無就職者(15~34才
まで)が約64万人、またこれに加えて18才以上の「引きこもり」の若者達が13
0万人に達するという。
この中には派遣や請負など就業者としてカウントされる「不安定雇用者」は含まれ
ていない、不安定雇用労働者は一説によると1500万人を大幅に上回ると云われて
いるから、この国の雇用形態が、かつての中卒の労働者が「金の卵」といわれた高度
成長期や、バブル全盛期とは如何に様変わりしたことかが分かる。
これを見ても「失業率で景気の動向を測る」などの言葉のデタラメさが分かると言
うものだ。
「派遣」が急速に増加した時、派遣に応じた若者達の殆どは、応募した理由を「正
社員の様に会社に縛られたくない」「派遣の方が自分に合った仕事を見つけられる」
等と理由付けた、しかし今の「年収200万円時代」には正社員になるのも極めて困
難だし、自由な仕事なんて所詮、幻想に過ぎなくなっている。
結局、不安定雇用者、フリーターは、資本や企業にとっては厄介な「労働者」と言
うより、即戦力的な使い勝手のいいロボット、文句を言わず、労働組合で団結もしな
いし、何時でも「ハイさようなら」と首を切れる、何時でも調整可能な労働力と、コ
ストダウンの切り札的存在になってしまったのだ。
若者達よ、資本と企業に、その親玉の「経団連」奥田に、それに連なって、貴方た
ちの労働の成果をピンハネし、ぼろ儲けして、ふんぞり返る派遣会社、請負業者に騙
されるな!
リクルートなどの「好きな時間に好きなだけ働けます」等のコピー・甘言に騙され
るな!
資本や企業は、「貴方をどうやって食い潰してやるか」とてぐすね引いて待ち構え
ているのだ。
彼らにとって貴方たちは、「好きなときに、好きな人数で、(企業にとって)好き
な仕事をさせられる」利益を生み出す「新型の金の卵」に過ぎない。
そして政府が発表する「統計数字」には余り騙されないようにしたいものだ。