色々な資料ご紹介頂き、ありがとうございます。
確かに銃剣道をスポーツとして選択しそれに精進されている方には「今更何言って
んの」と思われることは自然です、否定しません。しかし同時に過去スポーツが政治
や戦争の実態を反映して、戦争に利用されて発達した事実も否めないと思います。
だから「スポーツなら何でもいいのか」「危険がないのなら何でもいいのか」と云
えば、「そうではない」と否定するしかないと思っています。
昨年イラク戦争でアブグレイブの刑務所で、米軍が勝手にテロ犯人だと決め付けて
収容したイラクの普通の人々を、虐待した事が判明しました。
あの時イラクの人々の尊厳を奪い、虐待をした女性米兵や州兵は、虐待そのものを、
それこそスポーツやピクニックのように楽しんでいました、虐待が判明したのは、彼
らが得意そうにVサインした写真が祖国に送られたからでした。
この前、ドイツ・ナチスのスポーツに対する姿勢は書いたと思いますし、オリンピッ
クのメインエベントであるマラソンにも触たと思いますが、今「全世界の名主」然と
して振舞っているアメリカ・ブッシュ帝国主義をかつてのローマ帝国と比較すること
きが一部で流行っています。
「帝国は必ず崩壊する」ローマ帝国も、アレキサンダー大王の帝国も、チンギスカ
ンの元帝国もそうだったと言う話なのですが、かってローマ帝国は武力によって征服
し支配した国から、人々を奴隷として奪い、過酷な労働やまた兵士として使役しまし
た。
そしてその中の体力と気力に恵まれた人々をより鍛え上げ、「相手を殺し勝利した
ら自由の身にしてやる」との条件で決闘士に仕立て上げ、時にはライオンなどと戦わ
せ、市民(今の市民と違い、裕福な特権階級の人々です)の見世物にして帝国・政権
を維持しました。
これらの逞しい闘士たちは、今ラグビーやプロレスラー等の激しいスポーツとして
再現されていますが、ヨーロッパでのスポーツの始まりは、こうしたそれこそ命を懸
けた奴隷闘士の闘いから始まったのだと思います。スポーツを楽しむのは若い人々の
特権です、青春を100%懸けてもいいスポーツもあると思います。
しかし今、自衛隊が世界各地に派兵され、学校で日の丸・君が代が強制され、国体
やサッカー場でナショナリズム高揚のために国旗が打ち振られている時、せめてこれ
らスポーツの背景を十分に知ってほしい、「銃剣」は侵略した戦地で敵に止めを刺す
武器として使用され、銃後でもお母さんや子供達が藁人形を敵と見たてて、銃剣を差
し込む訓練を強制された、悲惨で悲しい歴史を持つものだということをよく知ってほ
しいのです。
貴方が銃剣道を選んだ時、顧問の先生は何か言いましたか?また貴方たちは何か質
問しましたか?
これら歴史を理解し納得して、銃剣道を選択したのなら何も言いません、いう必要
もありません。
何事にも歴史があり、原因があるのです、それを十分知った上で行動して下さい、
ただそれだけです。