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一般投稿欄

共産党はきちんと世界政治に対して考え方を述べるべきである

2005/03/25 プロパー 30代 会社員

 私は共産党の政策が最近ますます現実的になっているにも関わらず、それを共産党の幹部が(恐らく彼らは東大出身などで自分たちは理解しているのだろうと思われます)全く国民に知らせることが出来ていない、ということを危惧しているものです。

 共産党は22回党大会でアジアの流れ、23回党大会で南米などの流れを大胆に取り入れて世界情勢の分析を行っています。素人にはさっぱりわからず、普通に党員が読んでも恐らく全く意味がわからないであろうこの大会決議や綱領改定をどういう風に有権者に知らせていくのでしょうか?
 まず共産党の現状分析がいかにはっきりしたものであるかを自分なりに解釈してみたいとおもいます。共産党は22回党大会でアジアの平和に関する取り組みの流れを紹介していますが、これと23回党大会での南米の流れが、実は世界政治や世界経済に与える影響としては完全にリンクしており、それらは、共産党が主張する「反米・反独占」の流れとも完全にリンクしています。政治経済世界は80年代、90年代を通じて完全に多極化を目指しており、9.11以降のアメリカのネオコンの極端な動きですらそれを実証しているように思えます(一部ではネオコンが多極主義者であるという倒錯的な議論もありますが、このことは実は世界政治の中でアメリカ一国主義的な世界政治経済の構造が劇的に変化しているという確かな証でもあると思われます。)。日本ではいかにもアメリカとの同盟が絶対であり、それこそが国益にかなうという議論がありますが世界経済の分析を冷静に見た場合に明らかにアメリカの衰退が始まっており、アジア地域での相互関係の確立やアメリカ一辺倒の経済運営がかなりリスクを伴うものであるか、ということが議論され始めています。アメリカの双子の・・・(文字化け)・・・ることを意味します)になることがどうして日本の国益になるのか、もはや普通の経済評論家ならば理解できるはずの事柄ではないかと思われるのです。これはほんの一例ですが、世界で起こっている多極化の流れは、日本国内の貧弱な議論を通り越して劇的に変化を遂げつつあるというのが、自分自身の感想です。
 ところが共産党は綱領改定や党大会でそれらを文書化しているのですが、共産党の興味にあったように書いてあるので部分的で党員ですら情勢分析の意味が理解できていないように思えます。22回大会のアジアでの平和の流れ(23回党大会でもそれは議論されていましたが)は共産党の主張としての現状分析になっており、世界政治経済の劇的な変化の意味が全く網羅されていませんし、その意味が全くかかれていません。イラク戦争の対応や、北朝鮮問題でのアジアの取り組みなどを書いていますが、そもそもこれらの例で世界政治経済の多極化の意味を語ることなどできないし、理解されることもないでしょう。もっと世界経済構造の劇的な変化に対する分析を共産党が興味がある分野だけでなく冷静に変化そのものの現状を記述するべきです。
 南米のことを取り上げるにしてもチャべスがアメリカを退けた、みたいな政治的な意味などに根拠を求めずに80年代から90年代の南米の経済変化を丁寧に説明して現実を語るべきです。それはアジア地域の分析にしても同様で、アジアは国連憲章に基づくどうのこうのなど、言葉足らずもはなはだしいといわざるをえません。
 もっと書きたいことは山ほどありますが、共産党の現状分析の有権者への説明不足はかなり深刻であるように思います。今後に期待します。