この間、アフガン板(私が主宰するBBSの通称)ではJR福知山線の電車脱線事故を集中的に取り上げてきました(今日位からまた別の話題にシフトしつつありますが)。その中で、私の頭の中で若干未解明な点があります。
この間出されたJR関係労組の事故に対する声明
・建交労西日本本部:「声明」(4月25日)
http://www.geocities.jp/ctgnishi/fukutiyamajikoseimei.pdf
・JR総連:「JR福知山線快速電車脱線転覆事故についての声明」(4月26日)
http://www.jr-souren.com/statemnt/050426.htm
・JR連合:「列車脱線事故を踏まえてのJR連合見解」(4月26日)
http://homepage1.nifty.com/JR-RENGO/050426kenkai.pdf
・国労:「JR福知山線列車脱線事故に関する声明」(4月27日)
http://www.kokuro.net/800.pdf
・国労:「福知山線、脱線・転覆事故に関する国労西日本本部の考え方」(4月28日)
http://www.kokuro.net/kokurounougoki.html
・「JR福知山線尼崎~塚口駅間列車重大事故についての4組合共同申入れ」(4月28日)
http://www.kokuro.net/801.pdf
上記各労組の声明を読んでの私の感想なのですが、
(1) 国労の声明文が、「日勤教育」や「ダウンタイムの短縮」への評価の部分で、やけに「経営サイドに対して宥和的」ともとれるトーンで書かれているのが、気になります。
例えば、国労の出した文書「福知山線、脱線・転覆事故に関する国労西日本本部の考え方」(05年4月28日)の中の「II乗務員教育等 (1)基本的考え方について」の項目の所で、
> マスコミ等で報じられている事故を起こした場合の「日勤教育」について国労は否定しません。
> 一部で起きている事象が全てと報じられるとするなら大きな過ちを犯してしまいます。・・・(以下、「定時運転の確保」「ダウンタイムの短縮」についての言及部分)
http://www.kokuro.net/802.pdf
上記の部分ですが、確かに一般論としては国労の言う通りであるし、鉄道会社で人の命を預かる仕事をしている以上、職場規律の弛緩を戒めるという立場に立った意志表明も当然といえば当然なのですが、今問題になっているJRの「日勤教育」なるものは「労働者イビリ」以外の何物でも無い訳で、それに対して上記の様な事故声明を出しても、現場の労働者の感覚として果たしてどこまで素直に受け入れられるものか甚だ疑問なのです。少なくとも私が国労組合員だったら、ちょっと受け入れがたい内容なのですが。「今の国労」は、かつて国鉄分割民営化と闘い各地の闘争団にその戦闘的伝統が継承されている「かつての国労」とは違うのでしょうか? 4党合意の受入れ以降、旧鉄労(現JR連合)の様な組織に変質してしまっているのでしょうか?
(2) それに対して、JR総連の事故声明は、一番労働者の感覚にフィットするような感じがします。実は私は、この福知山線の脱線事故について調べ始めるまでは、JR総連に対してはあまり良いイメージを持っていませんでした。旧動労時代から革マル派との関係が取りざたされていましたし、何よりも'80年代の国鉄分割民営化阻止・不当解雇撤回闘争の時に、自分達の組織温存の為に当局に寝返って当該闘争を裏切った訳ですから。しかしこの間の尼崎電車区での当局への追求姿勢、職員の権利擁護の姿勢については完全に同意できる。だからJR総連の出自も知った上で、今回は人権闘争の観点から積極的にJR総連を支持しました。ただ、いつ又自分達の都合で闘争を裏切るかも知れない、という疑念は消えていません。
上記の感想は、未だアフガン板にはアップしていません。実は、私はあそこでは「反リストラ、利用者の安全と職員の人権を守れ!」という事での合意形成・世論喚起を目標にしていますので、それ以上の、生臭い(党派的)領域にまで踏み込んだ投稿まではあまりしたくは無いなあ-という部分があって、アップする事を躊躇しているのです。
上記2点について、皆さんはどう思われますか?
※投稿執筆日:5月3日、編集部送稿日:5月6日
※アフガン・イラク・北朝鮮と日本
http://www.geocities.jp/afghan_iraq_nk/
※同上 掲示板
http://8330.teacup.com/netkikaku2/bbs