来日していた中国の呉儀副首相が、小泉純一郎との会談を見事に「ドタキャン」して帰ったことに対し、この国の反中国感情が昂ぶりを見せている。
しかし中国政府が靖国問題をメインとする小泉の居直り発言や、政府対応に怒り「公務による帰国命令」を出したのは至極当然である。
そしてすぐさま、中国政府の対応の正しさを証明する発言が、自民党の森岡正宏厚生労働政務官から飛び出した、曰く小泉純一郎の靖国参拝を「大変良いことだ」「極東国際軍事裁判は、平和や人道に対する罪を勝手に占領軍が作った一方的な裁判だ、A級戦犯の遺族には年金を貰っていただいており、日本ではその人たちはもう罪人ではない」この元奥野誠亮の秘書だった男の発言は、大半の政府・自民党の本音そのものだろう。
更にこの発言に追い討ちがかけられた、今度は外務省の谷内正太郎事務次官が、韓国国会議員との非公式会合で「米国は韓国を信頼していない」等と発言したといいうのだ。
これも「内政干渉」以上の、外交とは何かを全く理解していない見事な「高官発言」である。
これらはもう「不用意発言」と言うより、「確信犯的発言」と言うしかあるまい、東アジアの政府間の情勢が険悪極まる今、内閣総理大臣といい、よくもご立派な役者が揃ったと改めて感心するしかない。
さて私が韓国を訪問した時、同行して通訳も務めていただいた在日2世のご老体が、宿舎の雑談の中で怒りを込めて日本政府を弾劾された。
「日本政府や小泉は何かといえば大局を見てとか分かったようなことを言う、しかし自らは何の努力もせず、隣国の感情を逆なでするようなことを平気で行い、見下したような発言をする、中国や韓国が怒るのは当たり前だ」
私たちは幸いにも、韓国政府が力を入れている「日帝強占下強制労働被害真相糾明委員会」のトップとお会いすることが出来た、そこでの私たちに対する韓国側の対応と余りにも格差があるからだろう。
ご老体のお怒りを身近なものとして共有できたのである。
今小泉政権は思想的腐敗、排外主義への転落の度を強めている、韓国や中国の人々に頼るのではなくて、もっと感性豊かに、私たち自身の力でこの国を根本から作り直して行こう。