JR尼崎の107人もの犠牲者を出した大惨事は、いつの間にか本質が忘れられ、
社員教育不足、ボーリング大会、ゴルフ、送別会、そして上司の指示に従った運転手
など本質論をはずした、いつものパターンに強引に捻じ曲げられようとしている。
今回事故が起こったカーブは、私鉄対抗と新線開発の為に、従来の路線を廃止し新
しく作った危険なカーブである。ただ金儲けの為に改造されたのだ。
この福知山線・宝塚線を利用している人は危険なことを何回となく体験している筈
だ、この路線はもともとのローカル線を、無理やり稼ぎ頭路線に格上げした為に、旧
式ATSの他に、少しスピードを上げれば車両がガタガタ揺れ、このカーブの先にはもっ
と危険な急カーブが存在するなど、秒単位で運営する過密ダイアには相応しくない路
線なのだ。
そして何よりも今回の大事故は、1987年の国鉄分割民営化がもたらした悲劇で
あり、結論であることだ。
20万人の国鉄労働者の首を切り、200人余りを自殺に追い込み、今尚1047
人の闘争団を残した分割民営化とは、文字通り全ての矛盾を労働者に押し付け、資本
だけが生き延びると言う「資本の論理」が全てを支配した。
NTTの民営化に当たっては多数の労働者が30%もの賃下げを強いられ、首を切ら
れ、子会社関連会社に出向させられた、今進行中の郵政民営化も40万労働者の資格
を奪い、賃下げと人材センター送りなど国鉄と同じ轍を踏もうとしている。
民営化とは、文字通りの弱肉強食、優勝劣敗の世界に公務員労働者を投げ入れ、安
全やサービスより儲けを優先する資本のためのグローハリゼーション、働く者の誇り
を奪い、金や権力の前にひたすら降れ伏すことを求めるシステムである。
今回の事故は小泉構造改革路線の先に何があるかをはっきりと示したものだ、10
7人の尊い犠牲はそのことを私たちに教えてくれたのだ。
今尚、居直りを策動し、労働者に責任転嫁し生き延びようとするJR西日本資本を許
すな、資本やマスメディアの嘘と誤魔化しから、いい加減目覚めよう、それが犠牲者
の方々への真の追悼となる。