ダイヤに遅れた事実より何故遅れたのかの原因が大事である。駆け込み乗車の
乗客が列車にはさまれて引き摺られるくらいなら、少しくらい遅れても、乗客の安全
を最優先するのが基本だ。遅れたかどうかより、何故遅れたのかを探る事、場合によっ
ては遅れても日勤教育は必要ない。草むしりをすれば、何か良くなるというのは、パ
フォーマンス主義じゃないか。遅れたから即悪い訳じゃない。乗客の安全あってのダ
イヤ厳守だ。逆はあり得ない。乗客を引き摺ったら、事故を起こしたら、少しの遅れ
がもっとすごい遅れになる。本質を探ることが大事である。日勤教育自体が問題とい
うのは、ずれている。遅れたから即日勤教育というのが間違いなだけだ。基本に帰る
のが大切だ。反省を促すとして、パフォーマンス的に関係のないことを強制しても安
全運転には意味がないのだから。
よく企業で、新入社員に座禅やマラソンをやらせたりすることがあるが、ああいう
感じで日勤教育するなら、やめるべき。あくまで業務と結びつく動作の反復練習、事
故を起こさないための訓練のための日勤教育であるべきだ。日本人はすぐ精神論を持
ち出して、業務の具体的な動作から、話を抽象的な方向へ持っていく傾向があると思
う。例えば、スポーツをしている人が「スポーツとはこうあるべきだ」と哲学や美学
を語っても、それだけで強い選手であるとは限らない。補欠の人なりに真面目に美学
は持っていることもあろうし。
マスコミ記者が何かしら大声でJRの経営者に食ってかかるだけでは、何か事故の本
質と関係のある内容のあることを言っている訳ではないのである。仕事で全力を出す
には気負って緊張してはダメであり、普通に振舞うことが大切である。マスコミ報道
の方向いかんでは赤鬼氏の言われる通り、安全とは無関係のおかしな労務管理につな
がる可能性もあるのだから。