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ボウリング大会の批判では再発防止につながらない

2005/05/15 赤鬼 30代 工場労働者

>労組までこの程度の認識ならば、JR西には危なかしくて乗れたものではない。

 もしかして大地氏は、僕をJR西の社員と思っているのでは?
 残念ですが、業態も違います。
 JR西の安全管理体制では僕も乗りたくありません。

 経営陣は今までと同様な経営体質を守ろうとさえしています。おそらく経営陣が変わっても、同様な経営方針をとるでしょう。
 政府による規制緩和が安全体制の不備と一体であることは、ブルジョワマスコミが規制緩和を持ち上げたこともあり、注目しようとさえされていません。
 国鉄分割民営化後、JR西の労働者は安全管理体制・経営体質等に対して批判が出来ないよう締め付けられているのは、薄っぺらな報道の中でも容易に読み取れるものですが、現在ユーザーからの現場労働者への攻撃が頻発していることや大地氏の反応から考えると、ブルジョワマスコミの視点ずらしは功を奏しています。
 安全管理体制は、日常目に付かないこともあり、ユーザーの視点は「早く・安く・正確」に輸送されることに集中しがちで、それはJR西の経営陣が望むものと合致しています。
 ボウリング大会等の批判はJR西日本経営陣としては大変助かるものだったでしょう。
 現場労働者から経営陣を批判する気力を失わせるのに充分な役割が果たせました。

 JR西において過半数を超す労働者を組織している労組の体質は、経営陣と同様な考えを労働者に押し付けていることから経営陣同様の批判を受けることは免れないと考えます。
 そして、そのような労組がなぜ過半数を取ったか、注力した経営陣のみならずそれに加担した政府・ブルジョワマスコミに対して批判するべきでその経緯も各自調べておいた方がいいと思います。

 ちなみに品質・安全・環境のうち、品質と環境は労組は経営チェックの一環として意見を言うことは可能ですが、労働者が権力を奪取していない以上、法的に経営権に属することになります。
 もちろん、ストライキで闘うのではと経営陣が恐れるような労組が過半数を制していれば、経営陣も品質・環境について労組の意見を取り入れざるを得なくなるものですが。

 今回の事故からも、まず現場の労働者が自分の安全を守る上でなにをすればいいか突き詰めれば、ユーザーにとっても安全であることは明らかです。
 労働者が安全のためにストライキも含めた闘争に決起した場合、ユーザーが求める「早く・安く・正確」を、経営陣は技術革新、インフラの整備を長期的な視野に立って整備するしかないと考える副産物が発生する可能性もあります。
 労働者の決起がない場合は、労働者の締め付け強化をするだけです。安全はユーザーが忘れるころにはなおざりとなるでしょう。

 少なくともボウリング大会・宴会批判は、再発防止に全然ならないと断言できますが、安全管理体制そのものにもマイナスに作用する可能性が高いですね。
 本当にJR西経営陣にとっていいスケープゴートとなりました。