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「株主優先」の本質と労働者

2005/05/20 寄らば大樹の陰 50代 苦闘するフリーター

 この国の株価は相変わらず安定低迷ぶりを続け、日経平均で1万1千円を前後 している、しかしこのところ以前はよく聞かされた「株価の下落で企業の収益が計画 を下回った」と言う声が少なくなった。
 この3月期の決算では殆どの企業が好調だ「過去最高の増益増収」が勝ち組企業で 連続している、そして今年の夏季賞与は前年より大幅アップ、そのために財布の紐が 緩んで、消費が増加し、低迷していたGDPを持ち上げたと言う。
 「だが待てよ」である、この好決算は政府と経団連が組んで強引に進めた、不正規 雇用の増加による人件費の削減や、無慈悲なリストラや賃下げなどコスト削減がその 原因の大半ではないのか、フリーターや派遣パートの人々の手取り賃金が増えたとで も云うのか、年収200万や100万の労働者が減ったとでも云うのか、政府やマス メディアが大声で言う賞与の増加は、今や企業の半分以下、否三分の一以下になった 大企業のまた公務員の正社員や正職員に限られた現象ではないのか?
 そして日本のメーカーの下には、それこそ女性哀史現代版と言っていい、中国や東 南アジアの労働者の涙と汗がある。
 そういえば、今回大惨事・大事故を起こしたJR西日本も売り上げは減ったが、大幅 増収だそうな、典型的な人減らし好決算の典型である。
 それゆえ107人の尊い命が失われのだ。
 これら好決算を行った大企業・資本は、誇らしげに「これで株主様のご期待に答え ることが出来ました」と胸を張る。
 しかしだ、企業の収益は労働者が汗水たらして働いた結果である、矛盾の全てを労 働者に押し付けて掠め取ったのが企業の利益である。
 しかも日本の企業の大半の株主とは、銀行や保険会社、証券会社そして大企業であ る、本当の意味での個人株主など5%にも満たない。
 金持ちが金儲けのために労働者をこき使って大儲けし、儲けた金で他の企業の株を 買って配当でまた儲ける、これが資本主義社会の仕組みなのだ。
 「株主の為に」なんて美辞麗句で騙されるな。

 欧米では日本より個人株主のウエイトが高いと言う、しかしドイツの12%にも及 ぶと言う失業率(東欧諸国はもっと深刻だろう)、アメリカの自動車の構造的な不振 と、深刻な双子の赤字、そして実態がなくインターネットの上だけの金融取引の収益 に支えられている経済、しかしこれらがわが小泉構造改革、何でも民営化路線の目標 なのである。
 小泉純一郎に「ポスト小泉」などと言わせるな、私たちの手で倒そうではないのか。
 今こそ、労働組合の再生が、労働者の団結と主体的な闘い、企業・資本の収奪を許 さず、中国や韓国の労働者との共同の闘いを求め闘う戦線の構築が求められている。