憲法第9条の戦争放棄(武力の行使と戦力の放棄)を考える場合、この条文を
素直に読み素直に解釈すれば、物事は簡単明瞭で世界中が戦争状況の今、まさに理想
と夢、希望を実現するための先見的な憲法条項であることは間違いなく、憲法前文が
謳う平和主義にぴたり符合する。
「主権在民」と合わせて、前文と9条は決して切り離してならない日本国憲法の骨
格である。
さてそれでは「自衛権」とは何かが問われてくる。
「自衛権」、古代、日本で言えば縄文後期から弥生、世界で言えばローマや秦の始
皇帝など諸々に行われてきた戦争は全て「自衛」のものだった、「自衛」を他国並み
に「国防」と言い換えてもいい、今世界を荒らしまわっている最強の帝国軍隊・米軍
もまさに「自衛」のために存在する。
この間のアフガン侵略もイラク侵略戦争も「テロから国を守るため」の自衛の先制
攻撃であり侵略・占領であった。
アメリカの対北朝鮮(共和国)戦略も「北の核」から身を国を守るためのものであ
る。「ペンタゴン」は決して侵略戦争遂行の為に存在するのではなく「自衛」のため、国
防のため存在するのだ。
かつての第3帝国ナチス・ドイツも「ユダヤ人の害悪」からドイツをゲルマン・アー
リア民族を守るために侵略した、大日本帝国皇軍も八紘一宇、「東亜の平和と秩序を
鬼畜米英から守るため」に中国や東南アジアを侵略した。
「自衛」と「侵略」とはメダルの表と裏の関係にあるのだ。
「他の国が攻めてくるかもしれない」として自衛の軍隊を作り強化すれば、逆に他
の国には脅威となる、今の自衛隊、世界で第二位と言われる装備で武装した自衛隊は、
北朝鮮(共和国)韓国、中国そしてインドネシア、ベトナムなどにとって「北方の大
いなる脅威」である、だから日本の安保理常任理事国入りを拒否している。
あれだけ「核」「核」と言われ非難される金正日北朝鮮政府にとって、日本が保有
する膨大ですぐ核転換可能な純度の高いプルトニュウムや、高性能ICBMであるH2Aロ
ケットは、脅威であると共に羨望の的である。
また「日米同盟」・「日米安保」とは同時にアメリカにとって「日本の脅威」を封
じ込めるための、帝国主義国としての戦略でもある。
これらはただ立場を変えて考えれば、誰でも実感できる筈だ。
自衛力保持、「自衛権」が必要という輩には、憲法前文や憲法9条を云々する資格
などない。
「自衛権」は過去の人類の遺物なのだ、戦争で他者を殺すことによって生き延びて
きた理想なき帝国の遺物、ベットリ血で塗りたくられた廃棄対象物でしかない。
「武装中立」、ステレオタイプにスイスを引き合いに出しても始まらない、アルプ
スの山中にあって回りをぐるりと強国に囲まれた小国だからこそ可能なのだ、例外的
存在であって普遍性はない。
「北朝鮮の脅威」なんても存在しない、もし金正日が行動を起こせば即座にアメリ
カ自衛軍の先制攻撃を受けて体制は崩壊する、慎重な金正日がそんな危険を犯す筈が
ない、イラク戦争画面に噛り付きぱなしだったと言う彼が、一番認知していることだ。
もう一度憲法前文と第9条をよく読もう、理解し確信を持とう。
リアルに世界を読もう、話はそれからである。