米国の母親に対面できて、日本に帰国する曽我さんの夫、北朝鮮住民のジェン
キンスさんは、「金正日は悪魔」と棄て台詞。
戦争当時(こういうこともマスコミは明らかにしない)か、米兵の身を棄て、北朝
鮮に脱走し、そこで、生き延びることを選んだと思われる氏だが、拉致された曽我さ
んと出会い、娘をふたりもうけ、親子4人の幸せと思える(肉親の縁の薄い私はうら
やましい)生活を北の共和国ですごされてきた。
一方、曽我さんは若き頃、親とともに拉致され、ジェンキンスさんと出会い、結ば
れ、娘さんたちとの生活を24年間、北朝鮮(共和国)で送ってきた。
この度40数年ぶりか、親との対面がゆるされたが、米国では脱走兵というジェン
キンスさんへの風当たりが強かったらしい。プロパガンダの一片さえもなかった。当
然であろう。今、イラク戦争渦中の米国である。自国を裏切った元米兵である。戦場
ならば、敵前逃亡の罪で、処刑である。
こういう現実の視点、北朝鮮の視点、米国の視点をかいたまま、日本の一方的な視
点のみの、プロパガンダ情報が垂れ流される。
曽我さんたち一家をはじめとして、蓮池さん、地村さん、へギョンさんたちが今、
健康で生きているのは、どの国のおかげであろうか(また、蛙の合唱が聞こえる)。
否、よい悪いは別として、とにもかくにも、今、生を得ているということは事実であ
ろう。
終戦の日、浮島丸での朝鮮半島からの引き上げ時だったか、何ものかの爆発で50
0人の民間人(朝鮮人?)がが死亡。日本はこの責任さえとらない。
今、旧日本軍の残した毒ガスなどの被害で、苦しんでおられる中国の方々もいると
聞く。
日本国内は、相変わらず、こうしたグローバルな、相手の身になる視点をかいたま
ま、自己中心的なわめき声ばかりが垂れ流される。
曽我さんも、ジェンキンスさんも、当初に比べて、幸せが増したとは思えない私で
あるが、僻みであろうか。地村さんも、ここのところ、表情には疲労が感じられる。
まあ、いくら祖国とはいえ、なれない地での生活である。26年間の空白は、すぐ
には埋まらないだろう。
ともあれ、この拉致問題に拘わらず、この国のメディアの稚拙ぶり、政治家。有識
者の稚拙振りには反吐が出る。
日本の小泉がものを言えばいうほど、テレビに顔を出せば出すほど、恥がどんどん、
増えていく。戦争のにおいが濃厚になっていく。
座間の近辺では、米軍の住宅探しに、業者が跋扈しているようである。