2005年、7月25日、朝、お茶の間テレビTBS。
英テロ事件に関して「まるで処刑のよう」との囲み記事を紹介するみのもんた。なに新聞かはわからなかったが、英国世論のまともさを示す記事と受け取った私である。
一人のリュックを背負った青年が、駅で複数の武装警官に追い掛け回され、倒れた瞬時、5発の銃で頭をぶち抜かれて即死。
これに対するみののコメント。
「言葉が通じるんでしょう。そういう中で銃をもった警官から逃げ出して、撃たれるなんてね。相手は爆弾を持っているかもしれないんだし、それに今はこういう(テロの起こりうるような)事態なんだから、仕方ないでしょう(撃っても)。それを処刑だとかなんだとか・・・いくらスラムの出身だろうが関係ないでしょ」
これが、大衆人気のある中堅のコメンテーターだそうな。
現場での英国民の極めて理性的な反応・言説。それを報じるBBSのジャーナリズム精神のかけらもないこの男の、権力殺人を容認する姿勢に、私は、激しく抗議したい。否、こうした男を雇用し、戦争へと導くTBSをはじめとする全ての日本メディアに、私は怒りを込めて糾弾する。
一度目の英テロ直後、爆弾とのかかわりを疑われた科学者が拘束された。その後、どうなったか。
また、今回殺された男性は、真面目な技師で、3年前から英国に居住。何でも、職場からつけねらわれていたという。爆弾など持っていない青年を床にたおれた瞬間、足でなく、頭をぶち抜くという行為が意味するものは何だろうか。しかも、5人がかりで。
スケープゴートを口封じするため以外の何ものでもないだろう。たとえ、あとでばれようが、みののような蛙がうじゃうじゃいれば、戦争シナリオの強固なインパクトになる。更なる治安国家へむけて、権力のやりたい放題である。少々の抗いが「公開処刑」であれば、国民はますます、萎縮する。監視国家体制の中で、ナチズム社会が始まるのである。
米国・英国・日本は、戦争渦中である。イラク戦地でのそれはもちろんのこと、核爆弾やらはつぎつぎと使いかってよく製造され、米軍基地は日本各地を侵蝕し、ミサイル防衛だの何だのハイテク兵器が監視する日本では、誰でも彼でも、今日から明日から、あなたはテロリストになるのである。させられても、おかしくはないのである。
炭鉱のカナリヤは、次々と殺されていく。
クマだったり、イノシシ、猿だったりはたまたシカやカラスだったり・・・・ホームレス・こどもだったり・・・。
ちなみに、今回自爆した男性の一人は、30歳の小学校教師だったという。障害児教育に熱心な、生徒や親に人気のあった先生であった。やはり教師の妻と幼児の3人家族で、近く、2人目の子どもが生まれる予定だったという(ジャーナリスト第568号掲載の伊藤力司のワールドウオッチャー)。
今はただ、英国民の覚醒を願うばかりである。イスラム教徒160万人(前回は180万人ときいた)。マルクスの人気が高く、28%でトップを占める英国民の良識にかすかな希望を見出すばかりである。
そして、Forza Giapponeさんはじめ、幾人かの戦争の本質を見ようとする方の声をきき、私はようやく、立ち直れそうな気がします。感謝です。
ここで、こどもの報告。
英国民の世論の健全さを報道ステーション(テレビ朝日)が伝えているそうです。
そういえば、夜のテレビはすっかり見なくなりましたが、同じくTBSのニュース23は、みのもんたとは違うことでしょう。バランスをとるつもりなのでしょうが、せっかくの筑紫さんたちの見識も、はっきりいって、台無しです。かつてのオーム事件が、いつまでたっても、忘れられません。