私たちは、アメリカの側にもイラクの側にも立てないでしょう。どちらにも正義はない。アメリカは中東で散々利権を欲しいままにしてきた。イラクはクウェートに侵攻しそれこそ帝国主義的な政策を取ってきた。イラクの国民はフセインを無理やり支持させられた。そこへ、9.11のテロ。それをいいことに、アメリカは、アフガンへ攻め込み、そしてイラクへも侵略し、今は、鬼畜以下の蛮行を働いている。
イラクの国民は、アメリカに腹を立てているでしょう。それに対して国連の多くの国は、決してアメリカの言いなりにはなっていない。だが、アルカイダのテロにも屈するわけにはいかないでしょう。アメリカは、国連で支持されないまま単独でイラクに攻め込んだ。
あなたは、イギリスの国民にも日本の国民にも責任があるというが、イギリスにも日本にもこの戦争に反対している人は、多くいる。そんな人たちまで皆一緒にして、お前たちが悪いといえますか。ここでテロを正当化すれば、アメリカとも闘えない。民主主義の敵として葬られるだけです。それでは、闘えない。
レーニンが暴力革命論者だったことは、私は不破氏の著作を読んで知りました。その前に、学生時代、「国家と革命」をボロボロになるまで読んだことを憶えています。不破氏の「議会の多数を得ての革命」を読めばわかりますが、そのレーニンが実践的には、平和的移行へのあくなき追及者だったことは事実です。何故か。どんな行動も多数の支持が得られなければ、成功しないということを知っていたからです。ホーチミンもそうだった。今の日本で暴力革命路線が多数の支持が得られないことは、あまりにも明瞭です。日本人は、曲がりなりにも、戦後60年平和と民主主義の中で生きてきた。それを破壊しようとするものは、革命的ではなく、むしろ反動的です。いくら時間がかかっても選挙で多数を取るしかない。
イラクの現政府も決してアメリカの言いなりになっているわけではありません。兎に角フセインの独裁が終わり、新しい国づくりをしようと、懸命です。テロは、そのイラク人の努力を破壊するものです。テロリストを孤立させ、国際世論で包囲するしかありません。同時にアメリカに対しても、イラクから撤退せよと要求し続けなければならないでしょう。例え、どんなにアメリカが横暴でも。
ベトナムのテロの話は、私は、何とも言えない。ただ、ベトナム人は、罪のない人を標的にしたテロをやったということは、ないはずです。戦争だから、巻き添えを食って死んだベトナム人もいたかもしれませんが、あくまでも標的は、アメリカ軍だったはずです。
アメリカもテロリストも平和と民主主義の敵です。もっと言えば人類の未来への敵です。