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イスラム圏のたたかい

2005/07/26 パルタ

 この世界はイスラム教徒の富裕な男性のためだけにあるのじゃない。彼らのためだけにこの世界は捧げられるべきじゃない。彼らが存在するのと同様に、イスラム教徒の女性も存在する。彼女達が自由恋愛や政治参加やレイプされたことが理由で殺されたからといって、それがいかに多数派だから文化だの伝統だので正当化するために私は米軍侵略批判をするのではない。女性を焼き殺すのが侵略者なら悪いが、夫や父なら良い訳ではない。
 女性の政治参加を求める声はクウェートにもある。民主化を求める声はエジプトにもある。労働組合は、イスラム圏の闘いで非常に重要な役割を果たしているのです。世界最大のイスラム国インドネシアでは労働組合が熾烈な闘争をして、権力から過酷な弾圧を受けてきた。
 PFLPはマルクス・レーニン主義の組織である。パレスチナは社会主義が非常に強い地域であり、まさにイスラエルは戦うイスラム過激派ではなく、労働組合としてのパレスチナ人を憎悪して死の弾圧を仕掛けることが、しばしばあるのだ。無差別テロだけでなく、労組によるゼネストもある。
 PLOはアラブ民族主義の組織であり、メンバーは特にイスラム教徒に限定されている訳ではない。
 とにかくインドネシア、パキスタン、パレスチナ、バングラデシュ、イラクの労働組合の闘争は決して無視できるほど小さい訳ではない。民主化や女性参政権の声とて、多数派イスラム教徒男性の暴力によって圧殺されて良い訳はない。そのような暴力を黙認する自称社会主義者は反動的であり、保守派であっても、決して社会主義者ではないと断定する。
 イスラム圏における労働者・女性のたたかいというものは、むしろ先進国よりもはるかに活発で先進的で先駆的なのであり(彼らはイスラム主義者の弾圧による緊張があり、先進国よりもかえってラジカルな立場を取るのだ)、先進国の労働者こそイスラム圏の闘争に学ぶべきものが多いと思う。
 今のイラクの運動はテロも含めて異質なものが含まれており、十派一からげで「民族主義」と規定することはできない。他の国も同様である。もちろん、民族主義者の闘いもあるが、宗教的マジョリティの闘争ばかりに目がいっているのが現状ではないか?
 宗教的マジョリティの男性の人権だけが尊重されて良い訳はない。ないことにされてたまるか、である。少数派なら、女性なら死んでもいいとは言えない。