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北京オリンピック反対の裏に何があるか、パルタさま考えて下さい

2005/07/27 寄らば大樹の陰 50代 苦闘するフリーター

 パルタさまのご高説にはいつもはっとはさせられますが、正直少々底が浅いというか勉強不足なので、多少ガッカリさせられています。
 昔「モスクワオリンピック・ボイコット」がありました、それは当時のソ連のアフガニスタン侵略を理由としたものでした。
 しかしボイコットの結果は、ソ連軍の即時アフガン撤退とはならなかったと思います、それはただ単なる東西冷戦下での政治的駆け引きの一部でしかなかった気がしています。
 仮に仰るように今度の北京オリンピックをボイコットしても、中国での人権抑圧が解消されるとはとても思えません。
 それでも人権侵害を理由に北京オリンピックを中止するなら、イラク侵略戦争に加担した国々の選手はアテネオリンピックに参加させるべきではなかった、日本も自衛隊を送っていますから同じだと思います。
 そもそもオリンピックは今や「ショービジネスのひとつ」でしかありません、「金儲けのための見世物」なのです、それで政治が変わるなどとはとても思えません。
 確かに中国の新疆ウイグル地区やチベット、また内モンゴルなど人権抑圧は酷いと思います。しかし中国の人権はやはり中国の人々自身がその闘いでもって勝ち取るべきものです、正していくべきものだと思います。
 またある研究者によれば、中国の少数民族対策は、日本が行っているアイヌや在日韓国朝鮮人などへの「同化政策」と違って優遇政策が採られ、国内では少数民族のウエイトが年々高くなっているそうです。
 これを酷い入管行政を許している日本に、そして戦争責任も戦後補償問題も殆どほうかむりして知らん顔でいる日本政府に、またそれらを許している私たち日本人に、中国政府を非難できる資格があると等とはとても思えません。
 ご存知と思いますがアフリカではスーダンで内戦と虐殺が続いています、ルアンダではツチ・フッの民族紛争で何十万人が殺されました、そしてモザンビークを始め南部では少年兵を雇った非人間的虐殺が今も続いています。
 またアンゴラやナイジェリアなどでは資源を巡って欧米の資本をバックにした内戦が続き続けられました。
 またこれも冷厳な事実として、世界の四分の一の人々が毎日の食糧確保がやっとといった生活を過ごしていると言われています。
 日本を含む欧米諸国の資本は、資源のある国には資源と利益をもとめて殺到し、支配権力を取り込み、敵対者を抑圧し虐殺に手を貸し、しっかり利益を奪い取ります。
 しかし資源のない国では内戦等を画策し、双方に武器を売り込みここでも富を得ます、「死の商人」とはこうした先進資本主義国だと思います。
 その結果として貧しいものはより貧しく、富める者はますます富んで行きます。
 資本の前には人権も人道主義もありません、これが資本主義・帝国主義の正体です。
 オリンピックとは世界の殆どの貧しい人々には全く関係のない、ごく一部の人々のスポーツの祭典でしかありません、たとえ貧しい国からの参加も、普通の人々には関係のない超エリートのスポーツなのです。
 「北京オリンピックをボイコットせよ」とはスポーツの政治的利用主義者の戯言でしかありません。
 勿論、北京オリンピックをボイコットすれば、苦境に立つのは世界の工場・中国に依存し、世界最大の中国の市場に深々と依存してしまった、日本の大手企業であり大資本です(そしてその召使の日本政府です)。
 これはつくる会教科書を無理やり使うこと、首相が強引に靖国神社を参拝する事とも共通します。
 確かに中国の人権抑圧や、政治権力が共産党一党支配で、市場は資本主義そのものといった中国が抱える大きな矛盾は、必ず中国の人々の力によって変わるし変わらなければならないと思っています、しかしそれはあくまで中国の人々の事業です、私達がやることでも、アムネスティ等のやることではないのです。
 私たちには先ずこの日本と言うトンでもない国を、根底から変わらせなければならない使命があります、そしてそれを担うのはパルタさま、貴方の様な若者にこそ委ねられているのです。
 それ以外ではありません、もう少し勉強頂いて頑張って下さい。