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人文学徒さま、せっかくですから、一つ質問させてください 

2005/07/21 菅井 良

人文学徒さま、
 私の返事を読んで誤解を解いていただけたことがわかりました。ありがとうございます。
 年収1500万円の例はやはり、資本家(経営者)のことを言っていたのですか。ちょっとショックだな(笑)。

 わたしも、ねずみ算的にとは思いませんが、このサイトでの議論が増え、活発になることを望んでいる立場から、素朴な質問をさせていただきたいと思います。
人文学徒さんは、
 いちばん政治の恩恵を必要としている人々が必ずしも政治を動かす主体ではないとおっしゃっていましたよね。そして、賃労働者階級と資本家階級が利害を異にしているということ(社会的諸関係が人間をつくることの系)を根底におくことに反対なさって、奥田氏という人物を例にとりつつ、資本家も賃労働者も人間であるということから始める人間観に立たなければだめである、とおっしゃります。
 これって、「賃労働者階級は党の救けを求めてばかりで政治を動かしていないから、共産党と共産主義者は、奥田氏のような実際に力を持っている資本家たちや「プチプル」の人(年収1000万円今の日本で得ているような)に依拠した政治に切り替えるべきだ」ということなのでしょうか。

 というのは、そのようにして、ねずみ算的に党勢を拡大していった党が過去にあったからです。それは、国民社会主義労働者党、通称ナチスです。国民社会主義労働者党は反共で愛国的ではありましたが、もともと労働者たちにもつながる面をもっていました。そして、政権をとる直前でも、けっして大きい政党ではありませんでした。彼らが飛躍的に大きくなれ、第二次世界大戦という未曾有の人類に対する犯罪を犯すにいたったのは、国民社会主義労働者党とドイツの独占資本家たちが結びついたこと、内部の労働者派と言う面を色濃くもっていたレーム派を粛正したからであることは歴史的な事実です。
 民主集中制に反対することがさざ波通信サイトの共通性であるべきだとおっしゃるほど、自由好きの人文学徒さんが、ナチス好きとは私も思いませんが、同じ轍を踏んではと、思い、また、私のこの疑問に答えていただく中で、人文学徒さんの具体的なお考えにも触れられるとおもい、質問させていただきます。
 人文学徒さんは大変多産な書き手ですから、どこかにはっきりと書いていらして、私の誤解以外の何者でもないかもしれませんが、その辺は御容赦ください。

 私は、賃労働者階級と資本家階級の利害は、日々の社会的実践の中でますます対立がはっきりしつつあり、それはマルクスの理論と一致していると確信しています。
 全てはシステムのせいだから、奥田氏も人間だし菅井も人間だというところから出発するべしという御自身の見解を、マルクスの権威にもとづけて主張される人文学徒さんには、首をかしげている者です。
 でも、自己の見解を絶対真理として主張するつもりは毛頭ありません。私が人文学徒さんに好意を持ったのも、人文学徒さんが自分の見解を再検討される姿勢をお持ちと感じたからです。