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一般投稿欄

「国敗れて山河あり」もう国の概念からの逃れよう

2005/07/23 寄らば大樹の陰 苦闘するフリーター

 ロンドンでの爆破事件に続いて起きた、警察官3人による一人の男の射殺事件は、イギリスで訓練されている「特殊部隊」のもので、彼らにはその場で犯人と思われる者を射殺できる権限が与えられていると言う。
 もしこれが本当だとすれば、時代を遡ったあの西部劇に出てくるガンマンなどのリンチ殺人と同じであり、これまで延々築かれてきた西欧型民主主義の自己崩壊、民主主義がその国によって放棄された事になる。
 当然の事ながらイギリス在住ののイスラム教徒は憤慨し、全世界のイスラム教徒の怒りを買う事となった。
 イギリスはイラクへの大量派兵に続き、自らの手で墓穴を掘ったのである。
 そもそもふたつの事件が何だったのか、まだ何も確認されていない、なのに紳士・淑女の国、イギリスは民主主義の掟を自ら葬り去って、やみくもな攻撃に転じたのだ。
 連続した爆破事件は、ブレア労働党ブレア政権のイラク侵略戦争政策に対する、イスラム・アラブの差別され抑圧された来た人々の、已むに止まれぬ、特殊な抵抗の闘いである事は間違いないと思えるが、真相はまだ闇の中であり、何も解明も確認もされていない。
 しかし、この事態を招致した以上、当分イギリスに安穏な日々は来ないだろう、チョツトした政策の誤りが、不安定な社会の「安定のベール」を取りはらってしまったのだ、疑心暗鬼と不信・不審が社会を覆い、出口のない不安が、際限なくエスカレートして更なる対立を呼び込む。
 しかも間違いなくこの日本も、私たちも、恐ろしい事に、小泉の対イラク戦争によって、イギリスと同じく、これらイスラムの人々の抵抗の闘いの対象国となったことが確認できる。

 今、自衛隊は急速に対「テロ」対策訓練を強化している。
 私の近くの基地でも、この猛暑の中、女性を含む若い隊員達が、数十人規模で旗を先頭に、大声を出しながら、機関銃を担ぎ足元をふらつかせて走行訓練を行っている。
 傍から見てもその訓練は貧弱だ、これでは何か攻撃を受けた場合、撃ち殺されてしまうか、目を瞑って闇雲に鉄砲をぶちはなすしかない。
 若い自衛隊員には「こんなこと辞めて親元に帰れ」と呼びかける事にしている。
 「国敗れて山河あり」とはなんなのか、今、政治家はまたマスメディア、御用評論家は何かあるたびに、「国益を守れ」と連発している、しかし「国益」とはなんなのか、「国家」に何か意味があるのか。守るべき「国益」とはなんであり「国家」とはなんであるかが、私たちに問われている。
 ロンドンやエジプトのような事態が起こった時、それを考えるにはもう遅いのである。