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なぜ韓国の労働者が強いのか

2005/07/09 寄らば大樹の陰 50代 苦闘するフリーター

 今、韓国では非正規雇用労働者、日本で言えば派遣や請負、パートタイマーなどの雇用改善を巡って、ノムヒョン政権と民主労総の闘い、そして民主労総内部での政権との社会的交渉を主張する執行部と、非正規雇用労働者・若手労働者グループの対立が激しく展開されている。
 しかしこの情勢の中で、ゼネストが貫徹されたり、数戦千数万単位のストライキ闘争がヒュンデ(現代)など大企業相手に闘われているのだから、私たち何も出来ていない日本の労働者が問われるのは当たり前である。
 そういえば、この前大阪扇町公園での関生集会で、約2000人の労働者に向って民主労総が投げかけた「大阪の労働者は何してんの、組合長が弾圧逮捕されているのになぜ闘わないんだ」との批判は余りにも当然、云われて当たり前と言うしかない。

 さて韓国に行かれた事のある労働者ならご存知と思うが、韓国で労働者が集会やデモを行う時、その先頭に立つのは学生諸君である。
 韓国でのデモ規制は日本以上に厳しい、弾圧の最先頭には「戦闘機動隊」が立ちはだかりデモ隊列を規制する、彼らは警察官から選び抜かれた身長180センチを越える屈強な若者だ。
 しかしこれに対峙するデモ隊の最前列には、必ず学生が最先頭に立って労働者防衛に当たる。
 韓国の学生は戦後様々な局面で闘いの先頭に立ってきた、李政権打倒の学生革命、全政権と対峙した光州蜂起など、その歴史は厳しく時には悲惨でさえあるが輝かしいものである。
 そしてこの蓄積が長年の軍事独裁政権を打倒し、金永三から始まり金大中、今のノムヒョン政権と、条件つきと言え韓国の民主化をもたらした。

 このデモの最先頭に立って戦闘機動隊と対峙する学生の決意は明白である。
 彼らは「私たちは数年すれば労働者になる、労働者の運命は我々自身のものだ、今失うものを持たない私達こそ、労働者を守れる」と言い切ってデモの最先頭に立つ。
 かつて戦後革命期に日本の労働運動を牽引したのは朝鮮人労働者であり学生だった、そして60年安保も70年安保闘争を牽引したのも学生だった。
 韓国では今尚、過酷な弾圧を潜り抜けて学生が戦闘に立ち、若き民主労総の非正規雇用労働者がストライキを牽引する。
 それがかつて「反共」で凝り固まった韓国に「民主化の風」を吹かせたのだ。
 私たち日本人は戦後60年も経つのに、未だ自民保守の長期安定政権を存続させている、55年体制を崩壊させたって?アホな。
 年収100万や200万で「失うものを持っている」って?預金なし所帯が2割もいるのに豊かだって?そんなことみんなウソだ。
 もう安易に騙されるのはよそう、幻想に浸るのはよそう、まして「厚遇」とか吹き込まれて労働者が勝ち取ってきた権利を放棄するのもよそう。
 学生諸君、ニートや派遣で我慢している労働者の皆さん、そろそろ決意を固めよう、自分の道は自分で切り開くしかないのだからー。