「ヒエーたまげた、いつから産経新聞の社説を朝日新聞が載せるようになった
の?」7月31日の朝日新聞社説を見たときの率直な感想である。
「私たちは郵政民営化を実現すべきだと主張してきた」「郵便貯金と簡易保険の資
金量は330兆円にのぼる。この国営銀行の仕組みがさまざまな非効率を生み出して
きた。官から民へ資金の流れを変え、日本経済の活力を取り戻す必要がある。これが
民営化の眼目だ」との御託で始まる社説である。
しかし何時から朝日新聞は小泉純一郎のポチになり、政府広報部門に成り下がった
のか。
この社説には郵政民営化によって首をとなり大幅賃下げさる労働者の事も、民営化
によって小荷物配達を1個105円で運べと強要される下請け労働者の怒りも、収益
重視経営によって切り捨てられる地方や遠隔地の郵便局、それによって生活の手段を
奪われる高齢者の不安にも全く触れていない。
民営化する事によって資金の流れが変わるってアホな、いまこの国に存在する「メ
ガバンク」は元をただせば、みんな「国営銀行」ではないのか、これまで「公的支援」
として私たち国民の税金をいくらこれら銀行につぎ込んで来たと言うのか、民営化す
れば貯金の利子を諸外国並みに引き上げ、元本を全て保障するとでも言うのか。
社説はまたこれまで郵便局の資金が「無駄な公共事業や非効率な特殊法人の業務を
支えてきた」とも言っている、しかしそれは管理する政府やお役人がズルをしていた
だけに過ぎない、民営化したらその構造が変わるとでも云うのか。
社説は最後にまたぞろ、どこかで聞いた様な言葉で結んでいる「しかし参議院が良
識の府なら、大局的に判断すべき時だ」と。
確か今年3月韓国の大統領が戦後60年に際し発表した、戦後補償問題の解決に当
たっての見解表明した時、また韓国と中国で反日の運動が盛り上がった時も朝日新聞
は「大局的に判断すべきだ」と冷や水を浴びせて平然としていた。
朝日新聞が小泉純一郎のポチになってもいいし、ジャーナリズムを投げ捨てるのも
かまわない、購読を止めるだけである。
しかしその前に、戦前、朝日が(朝日新聞が好きな本社が)戦争にどの様に係わり、
戦争の推進者となったかを、この8月15日までに特集して欲しいものだ、せめてジ
ャーナリズムとしての「良識」を示して欲しいものである。