仏教圏でも、タイとカンボジアとミャンマーとブータンとネパールとスリラン
カとチベットとモンゴルとカルムイクでは政府と国民の関係が決して同じではないし、
一緒くたにして良い訳はない。その国の実態からかけ離れて、仏教のイメージのみで
語られてはいけないだろう。
独立を求めるクルド人はイラク・イラン・トルコの政府から徹底的に弾圧されてき
たし、それらの国の多数派国民との間も必ずしも仲が良い訳ではない。アチェーもま
たインドネシアから凄まじい弾圧を受けてきた。
自爆テロといえばタミール・イーラムが思い浮かぶが、ヒンズー教一般と自爆テロ
は関係ない。また、IRAやバスク解放戦線もカトリック一般とは無関係の分離運動
といえる。
チェチェン武装勢力の活動はロシア民族が多数の地域よりも近隣のイングーシュ、
ダゲスタンという少数民族地域が多い。学校占拠事件が起きた北オセチアはオセチア
民族の地域であって、正確にはロシア民族の地域ではないのである。被害を受けた北
オセチアの子供達もモスクワでは少数民族のカフカス人という扱いなのである。ロシ
ア人もいたかも知れないが、ロシアそのものではないと考えて下さい。
まあ、そのような様々な民族の怨念は理解はできます。長年いじめられ、搾り取ら
れ、憎悪を受け、差別されてきた者が「復讐のために」激高して、その加害者を虐殺
するということは理解はできます。しかし、理解や共感はできても、支持はできない
のではないか。
政治的理由は色々こじつけてアメリカやイギリスは軍事行動をするが、ストーカー
殺人も児童虐待もDVも全て病気も怪我も最終的には全て病院で処置をしないといけ
ない。収容しきれない負傷者が入院した場合、医療スタッフはいつ休めば良いのか?
何もかも全て病院に任されている。医療ミスでは訴えられる。政治家は、せめて負
傷者をなくす努力をすべきだろう。無論、テロなどはアメリカが引き起こす軍事行動
に比べれば負傷者の数はずっと少ない。しかし、規模はどれほど米軍の軍事行動に比
べて少なくても、負傷者は出て欲しくはない。
今こそ国民は、医療スタッフの立場に立った対テロ戦争批判も必要だろう。一回の
無差別テロ以上の大量の負傷者が、米英の一回の軍事行動で出されている意味を問う
べきでしょう。