相変わらずである。
以前は、右翼張りのテレビや新聞は、見ないことにしていたが、最近は、オー
ル右翼テレビになってきたようで、世界の流れがまともになろうとするや、日本
は、ブッシュと手を組んで、かたくなに軍国路線をひた走る。
靖国史観といい、扶桑社の教科書といい、今日の番組・北朝鮮の真実といい、
何なのだろうか。
北朝鮮の恥部をこれでもかこれでもかと晒し、やはり、「こんな国は、核爆弾
で消滅したほうがいい」から、と、日本の更なる核武装を整える仕掛けだろう
か。
今日2日の朝日新聞の声欄に、とても、気になる投書があった。
数日前の東京の地震の際、混雑した電車の中で、日本語の不自由らしい在日の
若い女性が、携帯で連絡をし始めた際、日本人の老人がやめろと怒鳴り、意味が
わからなかったその二人を蹴ったという。金髪の若い日本人女性がたしなめた
が、その老人は、「俺は間違っていない」と開き直り、また、怒鳴りながら蹴っ
たという。
自ずと80年も前であるが、朝鮮人6000人以上が、関東大震災の混沌の
中、流言蜚語に操られ、殺されたことに想いがいたる。
この老人も、「お前ら外国人か、常識ねえな」といいながら、自らの非常識は
天井にでも上げていた風である。
また、車椅子の男性の頭を凶器でなぐったり、猫を可愛がるホームレスの人の
寝込みをおそって殺害したり、最近は、明らかに、人間の核というものが、壊れ
ている。路上に唾を吐き散らすご老人も多いし、自民党を中心として、差別・排
外主義の言動・妄言が猛威を振るっている。
だいたい、戦争主義者たちを観察していると、自らのコンプレックスの裏返し
である。日本人・日本国に自信がない輩が、架空の優越を味わいたいがゆえに、
社会的弱者をいびり、自分の情緒的なアイデンティティを確認するのである。
自らに自信があるものは、自らがやってきたことと真正面から向き合えるもの
である。自らの祖父や父がやってきた加害の史実を、堂々と、検証できる能力を
持っているものである。
今の日本の流れをみていると、一昔前の世代以上に、人の質が堕ちているよう
に感じられる。
これほど、インターネットで、世界の情報が、思想が、流布される時代であ
る。なのに、イラクで起こっている戦争の何千分の一も見ることのできない大方
の人間。国内のいたるところで、差別で苦しむ人々の思いさえも、想像できない
一般・知識人。
辺見庸氏が、テレビにでてさんざめく人々を称して、ロボトミー施術をされた
ようだと、「金曜日」で言及されていた。
私もまったく、その通りだと思う。
上からの指令で、シナリオをわたされるや、そのとおりに、上っ面だけをなぞ
り、お愛想・追従で、意味不明の言語を散らしながら、時間をもてあそぶごと
く、場を取り繕う。ゲストの大学教授だとか自民・民主党の議員が、これまた、
同じように、無難に乗って見せるのだから、何おかいわんやである。
「北朝鮮の真実」があるなら、日本の真実もあるだろう。
民主的な平和憲法を持つ国で、軍隊を派遣し、一日100人の働き盛りの自殺
の真実と矛盾を、ルポしたろどうか。自衛隊の自殺も、隠蔽しないで取り上げた
らどうか。
脱北者の過酷な体験をいうなら、日本人残留孤児の人々の血の叫びや強制連行さ
れた何千人の人々の無念を、チラリとでも、思いやったらどうであろうか。日本
の正真正銘の教育の場で使う歴史や公民に、史実を隠蔽する暴挙をどうして、許
すのだろうか。
謎が多い拉致問題や神話を重視して取り上げる意図は、透けて見えが、これほ
どのおぞまし政策がまかり通るこの国の腐敗振りに、私は、言葉がない。
救いは、まだ、声欄に、こうしたまともな若い人の声があるということであ
る。勇気ある若い人の存在である。
昨日は、やはりTBSに文句をいったら、若い男性のような人が、「自衛隊は
イラクには警護に言ってるんです」と、うそぶいていたが、どこまでが教育か洗
脳か分からないが、自衛隊が何をしているのか、イラクのすさまじい戦況が伝え
られないことにこそ、目を向けられないで、よくも、テレビ局に勤務をしている
ものである。
同じ嘘でも、もう少し、知性的な嘘をついてもらいたいものである。