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映画「ヒットラー最後の12日」と「たしかな野党」と

2005/08/30 寄らば大樹の陰 50代 苦闘するフリーター

 小泉純一郎の「最後の選挙」が始まった、選挙は実質既に終盤の情勢かも知れ ない。
 しかし日本共産党の「たしかな野党」のスローガンは、一部に妥当と支持する声も あるが、「従来の全選挙区立候補という選挙方式にはこだわらない」との明言に反し、 小選挙区275比例単独17合計292名を立候補させた政党としては、情けないく らいに穏やかである。
 自民党すら認めていない「二大政党選挙」でないのなら「政権奪取」位のスローガ ンを掲げて当然である。
 これでは田中康夫の云う「お任せ民主主義だった過去60年間、私たちは選挙のた びに公約を並び立てた既成政党の候補者に期待して一票を投じ、選挙が終わるや裏切 られた思いに陥る繰り返しだった。私たちはいつまで騙され続けられなければならな いか」の問い(軽井沢での第一声)に応える術もない。
 もし選挙で小泉純一郎が、自民・公明連立が勝利したなら「たしかな野党」など一 ひねりで潰されてしまう、選挙の守勢は敗北を意味する、それ以外ではない。
 小泉政権は郵政民営化という「本丸の政策論争」に敗北して総選挙に打って出たの だ、その基盤は磐石どころか単なるパフオーマンスに依拠するだけの脆弱なものだ。
 小泉選挙を支える「刺客」とか「落下傘」候補などたとえ勝っても終われば全て 「ハイそれまで」と切り捨てられる運。命にある、何も怯える必要はないのだ。

 映画「ヒットラー、最後の12日」はヒットラーの秘書の目から見た「人間ヒット ラー」の自殺へ追い込まれる「最後のあがき」を描いたものである。
 ベルリンが空爆で破壊され、ソ連軍が迫る中で、ヒットラーは有りもしない援軍を 宛てに徹底抗戦を部下の将軍に迫る、まさに鬼気迫る映像であった。
 今の小泉純一郎は、内部の反乱に遭い、それを力で押さえつけることも出来ず解散 に打って出たのだ、この過程は決して小泉の強さの現われではない、追い込まれたヒッ トラーと同じ焦りに満ち満ちたものだ。
 「敵を過大評価すれば必ず敗北が訪れる」これは古今東西を問わず語られる戦争の 真実でもある。
 292名も立候補して党の全精力を挙げているのに、敗北を前提にした「たしかな 野党」論は、全身傷だらけで自慢のライオン・ハート髪を逆立てて、どこかしこで喚 きまわる小泉純一郎に手助けすることであり、エセ野党・民主党からも軽く見られる ことである。 我が戦争を知らない「松下政経熟勢力」は「民主主義とは多数決である、選挙で負け たものは黙れ」と、どこかしこで恫喝を繰り返している。
 「ポスト小泉」の後は、この超反動派勢力との激突となる。排外的戦争推進派、グ ローバル経済派、つくる会教科書系の復古天皇制派が結びついたこの勢力との激突に 備えなければならない。
 彼らには論理も倫理も通用しない、私達は「たしかな野党」等と呑気なことを言っ てはおれない情勢下にいる事をもっと知るべきである。