8.30「党員投稿」欄の頑固者様による、小選挙区大量立候補への擁護的ご意見につき、愚説を述べます。それに先んじて、頑固者様の反核運動のご実践には深く敬意を表 しつつ、さらに多くの人々が運動に参加しやすくする方法もお考えいただきたくぞ
んじます。
閑話休題。1960-80年代の国政選挙と今回の総選挙とではいくつか重要な点で異なります。
(1)最大の違いは選挙制度です。
小選挙区比例代表並立制となったことです。94年の公選法改正以前は、衆議院では3-6人の中選挙区制でした。従って、選挙区の中での少数意見を反映する議員でも1割台の得票率で当選できました。当時500余の定数に、120人程度の立候補でした。
小選挙区制のため、包括的な政策選択の選挙となる傾向があり、自民も民主も、「増税の必要性」を含め、本音の政策をぶつけあい有権者の判断を待つかたちになります。共産党は昨年綱領を改めたにもかかわらず、本音の政策や変革の道筋を語りません。その時点で、地域からの国政を託せる人とみてもらいにくいです。
(2)政治的獲得目標についての違いです。
60-80年代は、共産党は「革新統一」をかかげ、中選挙区であっても非党公認候補者を当選させ、議会内で共産党革新共同という会派を名乗りました。参議院では定数1の選挙区で統一候補を実行してきました。昨年も沖縄で統一候補を昨年も立てており、勝利しています。
今日の共産党の認識は、「共産党以外はオール与党」というもので多くの有権者や政権交代を訴える政党がある現実にそぐいません。それに導かれ、政治的獲得目標は、「たしかな野党の共産党の議席を増やすこと」においています。
民主党の政策批判は必要と思いますが、これが、第3極づくりを掲げず、自党の議席増だけをポイントに取り組んでいるとすれば、大きな問題です。第3極づくりを考えるなら、民主党の護憲派を左から+方向に揺さぶったり、、社民党や護憲派無所属候補との共闘、などが必要となると思います。
(3) 結果として、自公の議席の維持に手を貸しています。
選挙区の力関係・個々の候補者の主張を吟味したうえで、小選挙区の立候補の有無を吟味検討し・「比例代表を軸」を実体化し、「たしかな野党」として自公徹底批判を行なうべきと思います。他の方々も縷々論じておられます。
(4)責任感・緊迫感がうかがえない。
自民党は自公で過半数とれなかったら小泉辞任、民主党は過半数取れなかったら岡田辞任、社民党は土井氏が比例名簿順位5位となっており、いずれも背水の陣です。公明は冬柴幹事長は民主党と組むこともありうる、と述べたりしており、与党になれなかったら創価学会側からなんらかのすげ替えがなされる可能性があります。
しかし、共産党は2000年代の大きな選挙で連戦連敗でも、庶民にわかるかたちで責任をとることをしません。
頑固者様のエネルギーは、どうぞ、アメリカじこみ・カルト票依拠の自公独裁の終焉、活憲・庶民生活改善の第3極づくり、に向けられてはいかがでしょうか?