世論に誤解を持ち込み、「障害者」の極一部に幻想を呼び込んだ「障害者自立支援法」は、「障害者」の必死で懸命な反対の闘いと、「郵政民営化解散」の結果として、取り敢えずは廃案となった。
しかし尾辻厚生労働大臣は今秋の国会での再提出、採択を明言した、郵政民営化法案と並ぶ重要案件となっている。
この「障害者自立支援法」阻止の為に、「障害者」の方々と専門医師などで構成されるある集会に参加した時のことである。
初めての参加の方が積極的に発言を行った、曰く「私は長年ボランティアの活動を行い、行政が行わないこと、政府の誤りを指摘し、地域で人助けをして来た」などなどである。
しかしその時、政府や行政を批判する言葉として「キチガイ」とか「狂っている」とかの差別用語を連発したのだ。
参加者の大半は日常、差別と偏見に苦しめられている障害者である、集会に参加するのにも介助を要する人たちだ、彼の余りにも無自覚な差別発言に耐えかね、主催者から丁寧な「少なくともこんな場所での差別的な発言は止めて欲しい」旨の注意がなされた。
ところが彼は居直ったのだ、「何もやってくれない政府や行政を批判するにはきつい言葉が必要なのだよ」と、そう言い放ってかれは集会の途中で帰ってしまった。
むろん集会には何の影響も与えなかったのだがー。
このところ部落差別を筆頭に差別事件、差別発言を聞くことが多くなった。小泉構造改革路線の中で貧富の差の拡大、雇用における正規・非正規の差の明確化、そして何よりも小泉純一郎や石原慎太郎などによる、無責任で意図的な問題発言が、差別をより助長している事は間違いない。
言葉とは全く裏腹なナチス的な「障害者」の抹殺・排除の法律である「障害者自立支援法」の成立阻止の闘いに労働者、健常者も参加しよう。