2003年6月に「セクハラ」事件で議員辞職・党中央委員罷免となり・2005年に離党が報道された筆坂秀世氏が、9.29号の週刊新潮誌に手記を寄せました。新潮社といえば、不破哲三氏の回顧録を出版した会社で、新潮文庫を読んだことのない方はほとんどいないでしょう。
この手記を読む限り、共産党の極めて時代遅れな「ことなかれ」体質が明らかです。また、個人情報の保護についてほとんど配慮のないことも明らかです。既婚者同士のチークダンスがセクハラなら、即刻党本部のある渋谷区で、その取締運動を展開して見せてほしいものです。
同時に、筆坂氏の論には重大な問題点を感じます。そもそも筆坂氏は、不破ー志位ー市田による、現路線の忠実な推進者でした。だから事件後のTV討論の出演者を求められたりしたわけです。しかし、議員辞職時に話題になった、党中央勤務職員の飲酒禁止令の有無、その当時話題になった志位・市田両氏の秘書による筆坂追い落とし陰謀、について一切記述がありません。
また、本人は「財界研究」をする中で、自民党の意義を再発見したようなことを書いています。それでは、共産党中央はそのような研究をしてこなかったのでしょうか? さらに、憲法改正反対を「土俵のちがう議論」として揶揄しています。
これらのことは、氏が、自民党サイドの新手のイデオローグとして身売りした、と考えることができます。筆坂氏の、言ったこと、言わなかったことを注意深くチェックすべきでしょう。