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一般投稿欄

続 尚さん、滝川さんの反論  銀河さんの回答如何に?

2005/09/25 スカンジナビアン 50代 自営業

 さて、しかしながら、私自身は尚さんとは意見を異にする所もあります。(以下、引用に際しての敬称略)
 尚曰く
・・議会で権力を奪取して革命が成立するとは思わないが・・
 これは、革命論いやもっと根本的には、ではその革命でどういう社会を展望するのかという変革の内容、未来社会論の問題であろうと思います。こういう問題では、現実の社会を広く観察すると、多くのヒント、示唆を得ることが出来るでしょう。
1)例えば、比例区や全国区が廃止され、改憲も行われて、社会のファッショ的反動的再編が完成してしまったとします。
 そういう社会では、もはや、民主主義は飾り物でしかなく、権力の側からの弾圧も厳しいものとなって、、そういう場合、武力暴力革命が唯一の取るべき道なのか、、?
 私は答えは否であると思います。
 答えはマルクスがその本の中でなにを述べているかにあるのではなく、生きた現実社会の中にこそあるのだと思います。
 実例をみてみましょう。
A)韓国の場合、
 お隣の韓国の場合は、長い間ファッショ的軍事独裁体制国家であり、秘密警察が社会のすみずみまで国民を監視し、ファッショ体制として完成した状態にありました。そこでは労働者階級も国家の御用反動労組である韓国労総に組織されていると言う有様でした。
 しかし、この国では、国民の圧倒的な民主化要求の世論の前に、何度かの大統領選(議会選挙も)を経て、民主主義陣営の側に立つ大統領の当選と言う形でその圧倒的民主化世論が結実し、民主主義体制を確立してきています。その間、国家の暴力装置は反動体制の側からの統制化にありながらも、暴力装置として機能しませんでした。
 唯一の例外を除いては、、
 それは、地域的に限局していたとは言え、その地域地方総ぐるみの抵抗闘争と言うべき、光州事件に於いてでした。
 この闘争は反ファッショ・民主化要求という全国民的意義をもった抵抗闘争でしたが、実力行使やバリケード封鎖や一部学生・住民による武装(勿論軍部に比べればはるかに貧弱な武装でしかない。)などその手段に於いては、国民全体として統一できない内容を含んでいました。即ち、民主主義を求める国民世論が一致して統一・団結できないという重大な弱点を持っていたわけです。
 この弱点をとらえて情勢分析し、反動権力側としては内心、すぐさま勝利を確信していたのだろうと私は思います。
 問題はむしろ、この抵抗闘争を如何に反動支配の口実として利用し得るかだったのではないでしょうか。小泉首相ではないが、そういうショーアップ、効果的ドラマ仕立てを熟慮して、マスコミを動員しながら、最適のタイミングで武力介入・突撃を実行し、数百人とも数千人とも言われる流血の惨事の中に、光州事件は敗北していかざるを得なかったのだろうと思います。
 こういうタイプ・形態の民主化(社会主義的要求を含んだ運動の場合でも同じ)抵抗や運動にこそ、反動勢力の暴力装置がもっとも有効に機能するものであると言う事をこの歴史的事実は示していると思います。
 韓国はまさに我々のすぐ隣の国です。
 この国の人民の苦難に満ちた歴史は実に教訓の満ち満ちていると思います。 マルクスの本な中に書いてあることの数倍もの生きた教訓でしょう。
 勿論、だからと言って、マルクスやエンゲルスやレーニンを全て否定してかかる必要はないでしょうが。
 ではどういう風に彼らの所説を読み解くかが問題です。
 例えば、イ)(銀河さんがよく主張するが)国家は階級支配の道具であり、その支配の源泉は軍や警察や監獄に代表される暴力装置にある。
 したがって、ロ)、被支配者階級である労働者階級が社会主義社会の建設を展望するにはこの暴力装置と対決し、破壊しなければならず、
 ハ)それは必然的に暴力・武力革命とならざるを得ない。
(唯一の例外は労働者階級の側が圧倒的に有利な力をもっていて、反動ブルジョワ階級をして、初めから降伏を余儀なくさせえた場合)
というような古典的な主張である。(銀河さんによれば自明の理)
 これを韓国などの実例から見直すならば、
イ)はおおよそその通りだとしても、(今ではかなりの訂正が必要だが、この韓国の例ではおおよそその通り。異例、スエーデン等)
ロ)は、必ずしも、暴力装置がそのまま彼らの反動支配の道具として、全面的に機能するとは限らないということである。
 それは最善の戦略、戦術の立て方と最も有利な手段の選択に関わってくる問題でしょう。
 即ち、国民の最大多数を切実な要求・課題のもとに結集できる、そういう要求・課題をかかげることが先ず第一であるという事でしょう。 それが即ち、社会主義を目標に掲げるのではなく、民主主義体制の確立を戦略目標に掲げることであり、最も有利な戦術手段の選択としては大統領選での勝利ということだったのだろうと思います。
 決して、戦術手段としては地域的抵抗の蜂起という形態ではないということでしょう。
 では社会主義への接近は??
 紆余曲折があるでしょうが、最近の世論調査では、社会主義を掲げる(社会民主主義ということでしょうが)民主労働党は躍進しつつあり、約20%強の支持率を獲得しつつあるという。
 さらにもっと重要な事には、労働者階級の内部では数のうえでは劣勢ながら、より階級的な民主労総がその地位を飛躍的に高め、数の上では圧倒的多数の韓国労総を吸収合併する勢いであるという。
 事実、民主労働党は韓国労総の内部に多数の党員を獲得し、今や、かっての反動御用組合韓国労総の政策部長(だったと思う)は民主労働党員なのだという。
 まさに民主主義体制の確立と強化こそが労働者階級にとっての最も有力かつ有利な社会体制・社会状況なのであって、次なる社会主義への接近の課題を展望し得る社会状況だと言える。

では、次に
2)いまの日本よりもはるかに民主主義体制が確立された社会の場合はどうでしょうか。
B)スエーデンの場合(対比としてのフィンランドの場合を含む)
それはまた次回にしましょう。