こどもの頃から断続的に赤旗を読んでいるが、一番訴えかけられる文章だった。
書いた大塚英志氏のことは寡聞にして知らない。しかし、このコラムを読んだだけで、
知的に誠実な人であることはわかる。私も10年ほど前に学生運動に携わっていて、
コラムで指摘されている「共産党のことばで何かが語られた瞬間、その向こうにいる
はずの先ほどまでは生き生きとしてあった一人一人の共産党の人々の姿が見失われる」
という思いを何度も感じてきた。
私の乏しい弁証法理解では、資本主義は社会主義により「否定」されるのではなく、
より高次の段階に「止揚」されるのであって、ブルジョワ民主主義によっって花咲い
た個人主義や言論の自由はより発展すると考えている。しかし「共産党のことば」に
は、その豊かさが感じられないのである。
この文章を掲載した赤旗の編集部も、勇気があったのではないかと思う。護憲のた
めの連帯を築いていくためには、このコラムの提言を無視してはならない。