9月29日、日本青年会議所(JC)は、全国会員大会で「日本国憲法JC草案」なるものを発表した。
12章99条からなる本格的なものである。
しかしそれはトンでもないと言うか、読売新聞がオズオズと、しかし公然と打ち出してきた憲法草案などと比較出来ないような、まるで明治憲法(大日本帝国憲法)を思い起こさせるような古色蒼然とした、キョーレツに国家意識を明確にしたものだ。
1条で天皇を国家元首と位置づけ、9条に当たる戦争・平和条項には「自らの平和および独立を守り、国および国民の安全を保つため、軍隊をもつ」と明記、当然のことながら戦力の不保持と交戦権の否認を削除している、国際貢献を強調し国会の承認を得ての海外軍隊派兵も明確化した。
その他、現在の二院制を否定し一院制への移行、改憲手続きの条項化、そして創価学会への配慮か、政教分離規定の緩和なども打ち出している。
この間、青年会議所は自衛隊のイラク派兵の支持などを公然化し、親とも言える商工会議所などより、より積極的な政治団体化を明確にしている。
会頭の高竹は「草案を作ることで、憲法について国民が議論できる土壌を作りかった」と表明しているが、先の総選挙での自公与党の圧勝を背景とした右翼的政治指向の鮮明化以外の何物でもない。
若い財界人の戯言などと無視しないで警戒を強めるべきだろう。