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一般投稿欄

総選挙の戦術問題と今後の戦い方について

2005/09/28 スカンジナビアン

以前私の投稿で、・・では総選挙はどう戦うべきだったのか?
我々だって知恵をしぼりましょうよ・・
 と言う趣旨の投稿をしました。
昨夜、当の共産党に私見をメールで送りましたので
その文章を一部さざ波向けに手直しして、投稿することにしました。
この私見は部分的な批判に過ぎず、ほぼ全選挙区立候補問題には直接には触れていま せん。
 (勿論私はせいぜい40選挙区程度で十分だと思っていますが)
他にもさまざまな戦術批判・取るべきだった戦術の問題があろうかと思いますが
この私見がスタートになっていろいろな意見が寄せられるとそれが一種の総括にもな り得るのではと勝手ながら期待しております。

 ときどき投稿しているスカンジナビアンです。
 今回の総選挙の戦術については、貴党の確かな野党が・・というキャッチフレーズ はいくつかの重大な問題を含んでいると思います。
1)確かな・・は要するに、<日本共産党の他党にはない存在価値を分かって下さい。 >ということで、何か国民に直接訴える、大政策・大方針といったものではない。
 その点は自民党小泉政権の方が、虚偽の争点ながらも、実に分かりやすく国民にそ の<改革大方針>の選択肢を直接有権者、国民に訴えている。
 また、民主党は後で郵政民営化や増税を打ち出すなど、より反動的とも言える政策 を打ち出し、そのあとで、今度は増税を否定するなど、混乱した姿を国民にさらけだ して敗北した。(しかし、得票は減らしてはいない。比例ではすこし増えた。)
 一方社民党は護憲を訴え、国民の切実な要求に応える政策を掲げて、2議席増の結 果を得たのは周知の事実である。
 こうしてみると、確かな・・は広範な国民の目から見ると、大政策・大方針といっ た迫力ある訴えに欠け、せいぜい、従来の共産党の支持者の皆さんに再再度我が共産 党に目を向けて下さい、、的なごく狭い弱弱しい訴えかけでしかないと思われる。
 総選挙に於ける戦術がどういう影響を広く国民に影響を与えたかは、先日の赤旗紙 上で140数名の有権者にアンケートを改めて、選挙後のアンケートを取っていたが、 こういう調査は今後のためにももっと大々的に、数千人規模で行ってはどうだろうか。
2)ではどういう戦術をとるべきだったのか・・。
イ)宣伝戦のキャッチフレーズは 確かな・・などではなく、国民的レベルでの小泉 改革の階級的暴露と言う事に置くべきだった。
 その点では今度の選挙はむしろ実に分かりやすかったと言える。私なら、例えば・・
   ・・なんで、私ら庶民が他人(勝ち組大企業)が払うべき税金を替わりに(消費税 として)払ってあげんといかんの?ちゃんと説明してんか
 小泉改革ってやっぱりおかしいんと違う??・・
 こういった階級的犯罪性を一般庶民の目線から、正面から衝く宣伝戦を中心に据え るべきだったと思う。
 続けて
 ・・勝ち組企業は自分の税金くらい自分で払いなさい!・・
 どうしてそれが言えないの?小泉さん、あんたの改革おかしいんと違うか・・
 ・・あなたがコンビニで払う消費税、それは勝ち組大企業が払うべき税の立替払い・ エッそんなのおかしいよ!・・
 こういう大宣伝をすれば、関西のおばさんにしろ、フリーターのお兄さんにしろ、 広く一般国民の大注目を浴びたことと思う。
 勿論、敵にしろ味方にしろ、自民・公明にしろ、民主・社民にしろなんらかの対応 を迫られるわけである。 つまりそれだけ迫力ある訴えかけなわけだ。
 確かな・・と訴えかけたところで従来の支持者以外には誰も振り返りようもないで はないですか。 現に他党派もなんの対応もしなかったではないですか。
 つまり、他党にとっても全く無視して置けばよい・・というレベルの全く無力な宣 伝戦術だったわけですよ。
ロ)ではどういう対応を迫られるか。
 確かな・・と違って、これには他党派も真剣な対応が迫られる。 一歩間違えば選 挙戦の様相がひっくり返りかねないのだから・・
 自民・公明の場合、TV討論でも見られたように、・・企業は国にとって金のなる木 だ・・といったような反論にならざるを得ない。
 つまり、説明すればするほど、より反動的反国民的な説明とならざるを得ない。従っ て、言い訳をしつつ、最後には沈黙して、郵政郵政といって逃げてかわすしかない。
    公明の場合は影響はもっと深刻だが、徹底的な内部むけの言い訳で組織票を固めれ ばそれでよい、、ということになったのではないか。
 いずれにしても、与党側は言い訳で逃げ回ることになるわけだ。
 民主はどうか。
 この党は3%の年金目的消費税をうちだしたり、増税をもっとも明確にしてきたわ けだがでは、どうして、勝ち組企業減税に手を付けようとしないのか、、と問われれ ばたちまちその(階級性)反国民性が暴露されてしまうことになる。民主は連合を一 方の支持基盤としているためもう一方は都市無党派層)階級的暴露に対してはより 一層弱いと言う側面がある。(労働者階級の敵とは言われたくない)
 このように考えると、消費税と勝ち組大企業向け減税とのコントラストを正面に据 えた宣伝戦術はじつに広範な影響力があったのではないかと考えられるのである。
 それは増税問題と直結しているからである。
 実際、・・勝ち組大企業に正当な課税をするだけで、消費税の倍加10%化の効果 があるのだから、それをしないというなら、庶民大増税しかないではないか・・
 ・・結局小泉改革は大増税路線だ・・
 と突っ込んでいけば、尚、与党を効果的に追い詰めることができたのである。
 こうした攻勢的な宣伝をしていけば
 小泉内閣の、郵政・郵政・絶叫 、増税・改憲、空っとぼけ戦術(あとは刺客だ分 裂だホリエモンだ!という劇場戦術)にも十分対抗できたのではないか。
 小泉曰く 増税? 私の内閣ではしません まず歳出の徹底的削減です。
 消費税?私の内閣ではしません 上記に同じ
 年金? 与野党で協議すべき問題です。既に協議の場を設けています。
 改憲?私の内閣ではしません 今後の課題と考えています。
 こういう争点隠しに徹したわけだ。
 しかし、今後のことには空っとぼけできても、既に何年にも渡って自分が行ってき たことには、とぼけようがないのである。
 さらに、原さんの言う国民感情を考慮する戦術と言う点でも、・・他人の税金を払 わされている・・という宣伝戦術は効果的だったと思う。
 実際問題安全保障問題よりも、税金、特に消費税はフリーターの若者からおじちゃ んおばちゃんまで誰でも払っている最も身近な税金で生活に密着しているだけに国民 感情にも訴えかけ易いのではと思う。
 しかも、最も、非民主的税制で階級的視点からいうなら、反国民的税制だからだ。 (もっとも、全ての消費税制が反国民的ではない。ヨーロッパ諸国では、教育・医療・ 食料・福祉サービス等広範な非課税ワクがあり、労働者・社会的弱者保護策が設けら れている)
ハ)では、今日の与党327議席と言う現実を考えるとき、与党である、自民・公明 と民主が一緒なら、あわせて、もともと450以上なのだから、結局何ら変わらない のだ・・というような見方が成立することになる。
 が、果たしてそうか?
 しかし、増税にしろ改憲にしろ、やはり与党としての327議席という現実の重み がもの
 を言って情勢はより一層」緊迫してきたというのが否定できない真実なのだ。(原 さんが言うように、護憲にはこちら側にも十分な時間が必要なのだ。)
 つまり、野党である民主と与党とはやはり区別して対応すべきだったのである。
 さきに述べた消費税と企業向け大減税の問題にしても、他党派を厳しく批判するだ けでなく、・・我が共産党は企業向け大減税の廃止を広く、国民、また、各党に呼び かけるものである。・・特に現野党陣営はこれを一致した要求として掲げるべきであ る・・
 といった戦術を取るべきだったと思う。
 つまり、国民感情に沿った提起をすべきだったのだ。
 そうした呼びかけに対する対応で、またもや各党は対応せざるをえなくなってくる のであるから、要は自ら、その階級性つまり反国民的か否かを表明せざるを得なくな る。
 ・・彼らをして、本音を語らしめよ。・・ということか。
 こうした戦術に対して、・・確かな・・がいかに無力かつ無展望な戦術だったかが 痛感される。
 実はこうした宣伝は私の高校の同窓会のMLで、私自身試してみたものなのだ。
 その掲示板の書き込みには選挙に関するさまざまな意見が寄せられ、中には、共産 党員の同窓生の書き込みもあったわけだが、・・消費税が一番公平だと思うけど・・ などという書き込みもあって、改憲問題にしろ、・・それも一理ある・・といっ た
 ・・どっちも一理あって今一ハッキリと言い切れない・・といった意見もあり、小 泉・自民公明党勢力の反国民性がハッキリとしなかった。
 しかし、・・なんで我々が他人の(勝ち組大企業の)税金を立替払いしなければな らないのか・・という視点で書き込みをしていった所、これには大きな反響があった。
 ・・なんか小泉改革っておかしいよな・・みんな踊らされているんじゃないかね・・
 と言った論調に変わってきたわけです。
 以上拙論を綴ってみた訳ですが、今後の戦い方にも何かの役に立てばと思います。