選挙結果はおおむね予想どうり自民党の圧勝に終わった。民主党の改憲派もあ
わせれば国会は優に改憲派が圧倒したことになる。社民党が7議席取れたのをよしと
する。これからの民衆の戦いと国会を結ぶパイプ役としては充分な議席数である。土
井さんですら小選挙区では落選した。共産党は9議席のままであった。小選挙区全て
の候補は全滅した。結果は見えていた。しかし総選挙で全国の党員のしりを引っぱた
かねば党そのものが立ち枯れになるから全選挙区に候補を立てるのである。
党の選挙での主張は大衆迎合に尽きていた。選挙戦こそはその党の政治的主張を全
国に宣伝する絶好のチャンスなのである。この最大のチャンスにイラク戦争のことも
憲法の問題も前面に出さず、郵政民営化の問題に矮小化された小泉の罠に引っかかり、
年金と消費税、社会保障の問題という問題に焦点を摩り替える姑息さでは勝ち目がな
いのである。全ての問題を改憲と戦争の問題に結びつけそこから個個の問題を訴える
のが党の選挙戦であろう。だが選挙で議員数を増やすこと以外に何の関心も日本共産
党の指導部はもっていないから、戦争と平和という日本人と世界人民の生死にかかわ
る問題を選挙の焦点にしなかったと逆に考える。日本共産党に依存してはこれから迎
える改憲に対する戦いに勝てないことが明らかとなった。
同志諸君!どんなに頑張ってもこれから日本共産党党の議席は増えないだろう。そ
の幻滅感は全党を支配するのである。日本共産党が議会主義を選択したことが党の消
滅へと導いてゆくことになったのである。小選挙区の中では、もう共産党や社民党が
当選できなくなったことは明らかである。もしも比例代表制をなくすれば(ありうる)
両党は1議席も取れないだろう。つまりこれが議会制民主主義なのである。実は議会
制民主主義とはブルジョア独裁の一つの形態なのである。このような議会に期待する
こと自体が幻想である。ここでの勝敗に私は一喜一憂をしない。議会を通じて民主連
合政府から社会主義政権へという方針はもう虚しい響きにしか過ぎなくなった。綱領
はすでに破産したのである。
「嘘は大きいほど人々はだまされる。」ヒトラーの教訓である。ヒトラーの愛弟子
小泉は教訓をまじめに生かした。郵政民営化によって何もかもがよくなると言わんば
かりの嘘の小泉の主張が全国津々浦々に鳴り響いて、マスコミもそれに輪をかけて国
民をきれいにだました。
そしてどうなるのか。全逓労働組合を叩き潰し、あらゆる労働者の組織を破壊し、
その上に戦争へのレールを敷くのである。労働者は組織されねば階級ではない。労働
者階級の抵抗さえなければ一直線に侵略国家へと突き進んでゆけるのである。国内に
組織された労働者階級が存在する限り戦争はできない。又戦争に突っ込めば必ず敗北
する。これはロシア革命の歴史でもアメリカのベトナム戦争の歴史でも教えている。
小泉が命がけで郵政の民営化を進めようとするのは日本の資本主義が侵略戦争によっ
てしかもう延命できなくなったことを体現し、日本独占資本の選択の余地のないあが
きぶりを示している。なぜならば労働者階級が闘う力を秘めていることがきやつらに
とっての最大の恐怖なのである。真の抵抗はここから始まる。失業と戦争動員は生き
るか死ぬかを労働者に迫ることを意味している。ふたたび労働者は階級的に組織され
るし、すでに組織化は草の根で始まっている。又「つくる会教科書反対」の戦いの勝
利は辛うじて改憲を阻む城壁を全国に打ち立てた。「杉並親の会」の戦いがその先頭
の栄誉をになっている。私達は反撃に転じる。
自民党と民主党は侵略戦争へと国民を突っ込ませる意図を選挙戦では隠し、嘘と欺
瞞で自民党が圧勝したがたちまちその本性を表わすだろう。私たちにとって民主党が
勝とうが自民党が勝とうが同じことなのである。自民党はいまや国民の圧倒的信頼を
得たとばかりにフリーハンドを得たごとく人民の上にのしかかってくるのである。そ
の最重点は憲法改悪である。改憲によって戦後民主主義が一気に壊滅し、アジアは戦
場になるだろう。
「戦争と平和」が最大の課題となった。
だがどっこい、国会は茶番劇を演じる舞台である。
私達は圧制を広場と街頭で迎え撃つだろう。歴史は広場と街頭を埋め尽くす民衆が
変えてきた。ファシズムもそうであれば革命もそうである。お天気のよい秋の日曜日
にたった二枚の紙切れを箱に入れて歴史が変わるようなものではない。
一年が一日に凝縮されるような激しい情熱が広場と街頭を埋め尽くすようにならな
ければ何も変わらない。政治を議員の手から取り上げよう。政治を人民が奪い取ろう。