「労働者階級の怒りの鉄槌が民主に下り共産・社民がその受け皿として求められている」という意見があったが、少し冷静に考えればこれは違う。比例区でみれば、議席数は77:61で、鉄槌が下ったとは言い切れない。小選挙区での競り負けが民主の敗北であり、中でも首都圏の地滑り的敗北が決定的で、都市の無党派層の争奪戦に敗れたのが主因である。原因は、革新(改革)をすり替えられてまったことによるが、いずれにせよ、動かしたのは大都市の無党派層。従って、無党派層の風は共産・社民にも吹かなかった。出口調査からこう見るのが常識的と思う。
又、「保守に対抗する候補者を死票覚悟で出し続けるのが革新側の使命である」との意見もあった。「死票覚悟で出し続けるのが革新側の使命」とは政党側からの論理で、有権者の論理ではない。一種のマスタ-ベイションのようなもの。思いを込めて一票を投ずるのは、政治の変化を期待してのこと。たかが一票だが、明らかな死票(法定得票以下のような)を投ずる程、なしいことは無い。明日につながる一票ならまだしも。しかも何十年も延々と同じことの繰り返しで、かつジリ貧状態になっている。700万を超えるレベルから、500万を切るレベルにダウンしている。
政治は泥臭いもの。もてる組織力量をいかに最大限に効果的に使うかがカギとなる。せめて10%の議席を保有しないと影響力は行使できない。10%の票では小選挙区ではダメ。当面の政治目標を10%の議席確保とし、そのためにあらゆる戦術を駆使する、平たく言えばなんでもやる。今は、社民党との院内提携もできないあわれな自主孤立路線をとっている。反面教師は公明党。
要するに、言いたいのは戦略・戦術をもって対応しないと明日が見えないこと。万年野党宣言が拍車をかけ、浮上のきっかけすら見いだせないこと。
最後に柔軟になれと言いたい。あの中国共産党でも、当面の主敵日本を倒すために、国民党と統一戦線を組んだではないか。誰とも組まずに孤高に「価値有る野党」宣言をし、ひたすら、死票を集めてジリ貧を維持する。書生的戦術から脱皮し、もう少し泥臭く、現実対応をせよ、当面のゴ-ルを明示せよと言うのが、本投稿の主旨である。