マルクス・レーニン主義というのは、マルクス主義と、レーニン主義と二つの理論を基礎にしているということではあるまいか。
レーニンの革命が起きるまでは、世界の共産主義はマルクス主義だったんだと思う。
マルクス主義は、弁証法的唯物論が主柱であると思う。もちろん新興勢力の資本家に対して、警戒と敵意はあったので革命思想が皆無だったとは思えない。パリー・コンミューンなどのような先鋭的な事件にマルクスも関与していたと聞く。その先鋭部分を受け継いだのが、レーニンで、その運動が成功した事によって、マルクス主義は、レーニン主義と同義語になってしまった観がある。
しかし、マルクス主義とレーニン主義とはまったく違う。マルクス主義では、(革命は最も進んだ資本主義国家で起きると予言されている)のに対し、レーニン主義では、(革命は資本主義の鎖の最も弱い環を切ることによって起きる)とされている。理論的には全く正反対なものが、日本共産党の綱領に同列にかって取り入れられていたのである。
その矛盾に宮本氏も、不破氏も気づかぬはずはない。理論の矛盾を覆い隠すために、民主集中制による独裁が強化されたのだと思う。
それでも宮本時代には、マルクス主義の方が優位にあった。不破時代に入ってからは、レーニンは正しいが、スターリンが間違っていたという理論にすり替えられてしまった。
現在の綱領では、革命の文字は消えたが、(生産手段の社会化)というレーニン主義はなくなってはいない。以前「さざ波通信」が解説してくれたように「生産手段の社会的所有化」が、命題になれば、真にマルクス主義に回帰出来ることになるのだが。
そうなれば、共産主義という言葉も、危険思想ではなくなり、平和思想に生まれかわるのだが。現在では、共産主義者というと、レーニン主義者と混同されてしまっている。