共産党の支持低迷は目を覆うばかりである。それはなぜか?
今国民が何に不安を感じ、何に怒りを感じているか、そこのところがずれているからです。
小泉はまがりなりにもそこを突いてきている。ところが、民主も社民も共産も、ほとんど有効な対案を出せずに、小泉の一人勝ちを許している。
外交も憲法も非常に重要ではあるが、国民にとっては、必ずしも「切実」ではない。小泉の弱点は、外交、憲法、靖国などであるが、それは残念ながら、国民の最大関心事ではない。
大多数の国民が怒っているのは、将来に不安をかかえながら、高い税金をとられ、高い社保、健保をとられ、一方では、それを私利私欲に使っている役人や族議員がやりたい放題のことをしているという現実に対してです。
フランス革命も、ロシア革命も、そのエネルギーは政治路線に向けられたのではなく、そういった感覚的に実感できる支配層の腐敗や圧政に向けられたものではないでしょうか?
小泉はそこを巧みにとらえ、本来野党がやるべきことを、あたかも野党的ポーズで中央突破し、一種のクーデターを敢行しようとしている。ヒトラにたとえられる所以である。
民主はしょうがないとしても、社民、共産は論点がずれているばかりか、構造改革に反対し役人の横暴を擁護しているような印象すら与えてしまっている。
国民が今ほど矛盾と怒りを感じ、不満のエネルギーを内在している時はなく、自民党と真っ向から対決できる絶好なチャンスだというのに、誠に残念なことです。