前回の続きです。
ドイツに見られる、労働者代表の重役選任問題は、資本家の持つ経営権を部分的に奪うものであることを指摘しました。
すぐに国有化・公有化と急ぐのではなく、実際に企業の価値を生み出している現場労働者の代表に経営権の一部を与えることはとても重要かつ有意義な事であると思います。
それは乱暴なリストラを抑え、しかも、熟練した現場代表の主張は企業の価値を一層高める役割を期待できるものでしょう。
乱暴なリストラは、企業価値そのものは低下させ、只、財務上の(帳簿上の)見かけの価値を高めているに過ぎません。
確か、企業代表(いわゆるCEOかな?)を除いて、労働側と資本側が1対1の重役配分だったように覚えているのですが、記憶が定かではありません。どなたかご存知なら教えてください。
また、国有化といっても、実際の経営能力の無い官僚が経営者となっても機能不全をおこして、官僚の無責任経営と出世の道具にされるだけと言う事もありうるでしょう。
現場の声を経営に!です。
民主的な税体系・諸機構により、富の再分配、つまり、国家による資本家に対する逆搾取・逆収奪の機能がしっかり働いているわけだからあわてる必要はないわけです。
ドイツは北欧程ではないけれど、やはり社会民主主義的な変革がすすんでいますし、他のヨーロッパ大陸先進諸国も大なり小なり、社会民主主義的変革がすすんでいます。
それに遅れて、イギリスと英連邦諸国が続き、米国はそうした方向とは正反対の自由主義的民主主義ということができるでしょう。
米国の場合は何事も個人責任であり、貧困と飢え死にやカトリーナなどの災害や病気で窮乏・死亡するのも個人の責任という体制なのです。これでは一方で大富豪が存在するなかで他方では膨大な貧困層が、スラムの中で貧苦にあえいでいると言った構造になるわけで、こうした人達は、社会からも民主主義からも全く疎外された存在です。
彼らが米国市民としての社会的存在を取り戻そうとするなら、米軍兵士にでも志願するしかないのです。実は米国支配層がこういう体制を必要としているのです。戦争予備軍なわけです。
日本もそうならないように気をつけねばならないということでしょう。
では、再び銀河さんへの反論です。
武器・武装について。(引用に際しての敬称略)
銀河曰く
・・武装について。私は各自ピストルを集めろなんて幼稚な考えを持っていません。・・・労働者人民が自ら武装を求める時代が来ます。どんな武器も労働者階級がつくったものあるからいつでも作れるのです。・・・
作れる????なら、戦闘機も戦車も潜水艦も空母もミサイルだって、確かに作ってはいるでしょう。
だからそれらでどうやって、自衛隊や膨大な警察を凌駕する軍事組織を労働者人民の中で樹立するのですか??と尋ねているのですよ。
武器の入手は作った後どうするのか?いや、相手はすでに完全武装済みなのですよ。やれそれ今から作れ、そして入手しろですか?警察や当局に察知されずにですか? それだけじゃない、実際の要員の組織化・資金・指揮・指導・訓練・管理・実際の軍事行動・・全て未回答じゃないですか。
これでは・・各自ピストルを集めろなんて幼稚な考え・・以上にはるかに幼稚な主張ですよ。
銀河曰く
・・非常に単純に答えました。・・
ちょっと議論しようがない程に単純すぎます。
結局勇ましく暴力・武力革命を叫んでも、いざ具体論となると全くあいまいか単純すぎて、議論のしようがない、、といったところでしょう。
つまり何の展望もないわけです。
で、あるのは、銀河曰く
・・論理的に暴力革命論を主張することが弾圧の口実にしかならないので黙れと言うならば、我々は未来社会をつくる選択肢をうしなうのではないか・・
と言うように、ひたすら反動勢力の弾圧の口実作りに奉仕すると言う極反動の役割が残っているだけなのです。(大事な役割だ。反動側にとっては)
この点は銀河さんが・・実現してるじゃないですか。口実なんか必要とせずに。
・・と言うようには実現してませんよ。
まだ弾圧されてはいない、ごく一部を除いてはね。
韓国に於いても、光州事件の大惨事の敗北あと、民主主義を求める人民の世論はかえって、高まっていったが、二度と光州事件型の住民蜂起路線は採られなかったこと、そして、何度かの大統領選・議会選を経て、最終的には選挙による金大中政権の樹立と言う形で決着がついたことを教訓にすべきでしょう。
まあ基本的人権・自由を否定する立場なのですから、当然そういう反動側に立つ事になるのです。
えっ!?未来をつくる選択肢を失う?失うのはノストラダムスの、いや失礼、130年程も前のマルクスの未来予言だけですよ。破産済みのね。