滝川さまから新しい護憲政党をつくると、護憲勢力をさらに細分化させることにならないかとの小生の投稿への疑問の声をいただきました。
そして、共産党と社民党を中心に共闘体制を組んで護憲勢力の軸を作ったほうが正しいであろうのご意見をいただきました。私の稚拙な意見へ誠実なご返事と反論をくださり感謝のかぎりです。
しかし、護憲のための共社の共闘体制が今の時点で構築できるのでしょうか。
なぜなら、かって東京や大阪を中心として地方的な革新統一戦線が結成され「革新自治体」が続々と誕生した、あの革新高揚といわれた時代に、社会党は国政での革新統一戦線結成の共社両党間の合意を一方的に破って、いわゆる「社公合意」を締結し、反共勢力の尖兵へと転落していってしまったのであります。また、安保を容認し、自衛隊も認知し、自民党と反動的な連合政権をつくりあげました。これらのことに現在の社民党指導部はほんのちょっとでも自己批判をしていますか。
このように反動勢力に取り込まれ、屈服し続けた歴史と弱点を持つ社民党に、筋の通った護憲政党として現在の情勢のもとで期待できるのかという根本的な疑問があります。
私としては憲法擁護のたたかいにおいても、また裏切りの歴史を重ねる可能性が大きいと思います。少なくても日本の社会民主主義勢力の歴史は人民への裏切りの歴史で満ち溢れております。
さて、このように考察していくと、現在の政党配置を前提とした場合、議会において護憲勢力が多数を占めるためには共産党と国民の圧倒的な多数を占める護憲の無党派(いわゆる支持政党なし層とほぼクロスすると思う)との共同が成り立つのかという一点にかかると思うのですが、果たして共産党と護憲の無党派層との共同なるものが成り立つでしょうか。
地方政治のレベルでは兵庫県の南光町や福崎町、愛知県の清洲町、秋田県の湯沢市、東京の足立区・狛江市などで党員首長が誕生し、共産党と無党派層との共同が成功した例はいくつかありますが、これはきわめて特殊な地域的な条件のもとで成功した、ごく限られた小数事例であって、ほとんどの自治体の首長選挙にあってはこのような共同が実現していないのが現実です。
この経験から考察すると、護憲無党派の圧倒的多数の国民の声を議会に反映させるためには、どうしても、護憲を軸とした共産党とは組織的にも別な独立した護憲市民政党を立ち上げて行く方向しかないと考えます。
現実のことを考えてみればわかると思いますがいま、その多くは護憲意識の強い無党派層が選挙の時に、護憲の共産党へと票を入れているでしょうか。
むしろ民主党に投票を集中したり、なかには自民党の「改革」推進グループの連中に投票しているのが現実だと思います。
残念なことではありますがそれほど、支配階級が作り上げた「反共の壁」は支配体制の維持の道具として、それほど有効に機能しているのがまぎれも無い現実なのです。
それゆえ、護憲市民政党を立ち上げ、護憲無党派の国民の民意の受け皿としていき、議会のなかでも護憲の多数派を早急に構築していくことは急務の感がしてなりません。
そして、この市民の護憲政党が議会に進出しても、護憲勢力を細分化することには繋がらず、かえって幅を広げ、厚いものとしていくと思うのでありますがいかがでしょうか。
そして、注意すべきはこの護憲新政党に反共勢力がはりこまないように細心の注意を払うべきです。そうしなければ共産党とこの護憲政党との共闘が成り立たず、それこそ本当の意味で護憲勢力が細分化されかねないからです。